米と同盟国、中国の経済スパイ行為非難 サイバー攻撃巡る起訴受け

[ワシントン/ロンドン 20日 ロイター] – 多岐にわたる米政府機関や企業にサイバー攻撃を仕掛けたとして、米検察当局が中国人2人を起訴したことを受け、米国と同盟3カ国は20日、中国が経済スパイ行為を行ったと強く非難した。

起訴状によると、2人は中国国家安全省と関係があり、米海軍や航空宇宙局(NASA)、航空・宇宙・衛星技術関連企業など、少なくとも45の政府機関や企業から知的財産のほか、企業や技術関連の秘密情報を盗んでいたとされる。

米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドは、中国がサイバー攻撃によって知的財産を盗む行為を世界で展開していると非難した。

関係筋によると、カナダ、日本、オランダ、スウェーデンも、中国のサイバー攻撃を非難する見通しだ。

米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は、記者会見で「米経済とサイバーインフラにこれほどの大規模かつ深刻な長期的脅威をもたらす国は中国のほかにない」と述べ、「中国の目的は米国に代わって世界をリードする超大国になることで、そのために違法な手段を使っている」と指摘した。

米当局者らは中国のサイバー攻撃が2006年から行われているとしている。ポンペオ国務長官らトランプ政権の高官は、中国の行為が、商業目的でのサイバースパイ行為を阻止する2015年の協定の違反に当たると指摘している。

英政府も、中国が欧米やアジアで企業秘密を標的としたハッカー攻撃を仕掛けていると非難した上で、中国国家安全省と関連のある「APT10」と呼ばれるグループがハッカー攻撃を行っていると指摘した。

米検察当局は起訴した中国人2人がこのグループのメンバーだとしている。

今回の起訴を受け、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)逮捕を受けて米中間の間で高まっている緊張がさらにエスカレートする可能性がある。

*内容を追加しました。

関連記事
ワシントン - ジョー・バイデン大統領は5月7日、ユダヤ人に対する憎悪が「あまりにも多くの人々の心に深く根を下ろしている」と述べ、「米国と世界中で猛威を振るう反ユダヤ主義の潮流」に対抗するため、全米国民に本政権を支持するよう呼び掛けた。
地球温暖化による損害賠償を民間企業に義務付けるバーモント州の法案が、ビジネス環境を悪化させ、すでに資金繰りに窮している州民のエネルギー価格を上昇させるのではないかという懸念を呼んでいる。
「信念を貫き、モラルを守れ」、米最高裁判事がアメリカの現状に警鐘を鳴らした。外の世界は厳しい。おそらく、ここしばらくの間で最も厳しい状況でしょう。しかし、だからこそ、あなたの貢献が重要なのだとアリート判事は述べた。
5月13日、フィリピン政府はビデオを公開し、中共が疑念を持たれながらも、南シナ海におけるフィリピンの排他的経済水域内の島々や礁に土砂を投入し、埋め立て活動を行っていると批判しました。フィリピンは船を派遣し、中共の動向を監視している状況です。
5月5日に行われたパナマ大統領選で、ホセ・ラウル・ムリーノ・ロビラ(José Raúl Mulino Rovira)氏はサプライズ当選を果たしたが、これはバイデン政権に影響を与える可能性がある。 バイデンの綱領には、移民がアメリカ南部国境に侵入するのを防ぐためのダリエン地峡(2つの陸塊をつなぎ、水域に挟まれて細長い形状をした陸地)の閉鎖が含まれている。