安倍首相「ダブル選ない」、6年間に2回解散の実績にも言及

[東京 7日 ロイター] – 安倍晋三首相は7日、時事通信社が都内で主催したイベントであいさつし、野党が警戒している衆参ダブル選挙について「マスコミでダブル選挙をやるのではと言われているが、頭の片隅にもない」と指摘した。ただ、「『頭の片隅にもないと言いながら(6年間で)2回総選挙をやっている』との指摘もあるが、今回(頭のどこにも)まったく、どこにもない」とも語り、永田町に波紋が広がることを意識したのではないかとの見方も出てきそうだ。

「頭の片隅にもない」とダブル選挙を否定するのは、最近の安倍首相の常套句とも言える。今回はそのフレーズに「この6年間ずっと私は同じことを言ってきている」と付け加えた。「今回(頭のどこにも)まったく、どこにもない」と強調した一方、「『頭の片隅にもないと言いながら(6年間で)2回総選挙をやっている』との指摘もある」とも言及した。

選挙協力の態勢が整っていない野党にとって、ダブル選挙は脅威というのが永田町での多数説。あえて衆院解散・総選挙を連想させるような発言をすることで、政局の主導権を握ろうとしたとの憶測も浮上する可能性がある。

経済政策では、第2次安倍政権で「デフレでない状況を作った」と実績を強調。「景気回復は戦後最長に並び、それを超えるのではと言われる」と述べた。

亥年は統一地方選と参院選が実施されるため、「選挙にとって厳しい年」と分析。12年前の第1次安倍政権では参院選で惨敗した結果を振り返り「謙虚な姿勢で政策運営したい」と抱負を述べた。

60年前の亥年は、祖父である岸信介政権で安保条約改定交渉の大詰めにあったと振り返った。同時に社会保障制度の礎を創った年でもあったと述べ、今年も教育無償化による「全世代型社会保障制度への転換の礎になる年にしたい」と意欲を示した。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

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