干ばつ拡大の豪州、最低気温が過去最高 農産物への影響懸念

[シドニー 15日 ロイター] – オーストラリア当局は、南東部ニューサウスウェールズ州などの一部で気温が過去最高の水準に上昇していることを受け、今後数日間、屋外での活動を控えるとともに積極的に水分を摂取するよう呼び掛けた。

最も人口の多い同州の一部や西部ウエスタンオーストラリア州では、夜間の最低気温が過去最高の摂氏33度まで上昇した。豪気象局によるとニューサウスウェールズ、サウスオーストラリア、ビクトリア州の一部では16日、最高気温が45度以上に達する可能性があるという。

ニューサウスウェールズ州政府の環境衛生責任者は「身体活動を避け、十分に水分を取ることが現在不可欠だ」との声明を発表した。

豪州では、人口2500万人のうち5分の4が沿岸部に集中しており、夏季はビーチでのんびり過ごす人が多い。だが、異例の気温上昇により、現在見舞われている深刻な干ばつが悪化するとの懸念が広がっている。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のアグリビジネス担当エコノミスト、フィン・ジーベル氏は「ソルガム(サトウモロコシ)などの農産物にとって、この気候は吉報とは言えない」と述べた。

豪州は世界第4位の小麦輸出国だが、今年の生産量は干ばつにより10年ぶりの水準に落ち込むと予想されている。

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