習近平訪米に温度差 米側の準備窓口定まらず 中共は不安

2026/08/17 更新: 2026/08/17

中国共産党(中共)の習近平党首は来月、アメリカを訪問する予定だが、中共は現在も米側で訪問準備を取り仕切る窓口が定まらず、いら立ちを募らせているという。専門家は、アメリカにとって今回の訪問は儀礼的な意味合いが強く、中共側が実質的な成果を得るには、さらなる譲歩が必要になるとの見方を示している。

予定では、習近平は9月24日にアメリカを訪問する。訪問まで6週間を切った。

「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は8月15日、準備状況を知る関係者の話として、現時点で米側には習近平の訪米準備を実質的に主導する当局者や機関がないと報じた。中共は訪問時の格式や儀礼を重視しているものの、訪問準備を調整する米側の窓口が定まらず、不安を感じている。

アメリカ在住の政治評論家、陳破空氏は「習近平の訪米については、トランプ大統領がすでに公表し、日程も決まっている。しかし、これは主に習近平の顔を立てるためのもので、実質より儀礼を重視した訪問だと思う。米政府がまだ十分に準備していないという状況を、中共側が『混乱している』『統制が取れていない』と表現しているのだとすれば、そういう意味なら理解できる」と述べた。

陳氏によると、米政府はこうした外交上の訪問への対応に慣れており、特別に早い段階から準備する必要はない。そのため、米側が混乱しているわけではない。中共側が対応のばらつきを感じているのであれば、米側が今回の訪問をそれほど重視していないことが背景にある。

陳氏はまた、米政府はこれまでも独裁体制の指導者や中共党首を受け入れる際には慎重で、簡単に正式な国賓訪問として扱うことはないと指摘した。歴代の中共指導者は、米政府から「お墨付き」を得て中共内部の権力闘争で有利になるため、国賓訪問の待遇を強く求めてきた。その中で、胡錦濤が比較的格式の高い訪問を一度実現したものの、米側は「実務訪問」と位置付け、中共側は独自に「国賓訪問」と宣伝した。

陳破空氏は「アメリカは中共政治の複雑さをよく理解している。習近平が訪米で求めているのは主に面子と儀礼であり、自らの権力を支えるためでもある。だからこそトランプ氏は、習近平に具体的な成果を示すよう求めている。それがなければ、実質的な待遇は得られないということだ」と指摘した。

5月にはトランプ氏が北京を訪問し、中共から高い格式で迎えられた。しかし、両国間で大きな実質的成果は得られず、「建設的戦略的安定関係」の推進がうたわれるにとどまった。

今回の習近平の訪米では、具体的な議題の一つとして、300億ドル相当の中国製品を対象とする関税の引き下げが主要議題の一つになると予想されている。その実現には、中共側が引き換えとして相応の譲歩を示す必要があるとの観測も出ている。

台湾国防安全研究院の沈明室研究員は「一つ目は、アメリカからの大規模な購入を継続することだ。農産物やエネルギー、航空宇宙分野ではボーイング機などが含まれる。二つ目は、中共が輸出を制限している一部の戦略物資について、規制を一部緩和することだ」と語った。

沈氏によると、中共は5月にもイラン問題をめぐって一定の約束をしたが、その後もイランが中共から軍事装備や兵站物資の供給を受けているようだ。

沈明室氏は「今回は米国が中共側に約束を完全に履行するよう求めることになるだろう。履行できなければ、中共がどう対応するかが問題になる。こうした地政学面での非公式な協力も、中共が関税引き下げと引き換えに提示する主要なカードになり得る」との見方を示した。

報道によると、トランプ氏が5月に北京を訪問した際には、米国財務省と通商代表部が準備を主導した。しかし、今回は現在も主導役が定まっていない。

また、トランプ政権の中枢でも、今回の訪問にどう臨むかをめぐって意見が分かれている。ミラー次席大統領補佐官やスティーブン・チャン広報部長らは強硬姿勢を示すべきだと主張する一方、米中間の緊張緩和を望む声もある。

陳破空氏は、「独裁者を受け入れれば、世論や野党、報道機関から強い批判を受けかねない。共和党内にも反発があり、調整は容易ではない」と述べ、そのうえで「政府内部でも、強硬姿勢を示すのか、友好的な姿勢を示すのかで意見が分かれる。こうした要因が重なり、習近平の訪米を前に不透明感が広がっている。最終段階で訪問延期が発表される可能性さえある」と指摘した。

ルビオ米国務長官は先月、習近平の訪米日程について、計画通り進んでいると述べていた。

7月下旬には、中共外務省の馬朝旭副部長がアメリカを訪問し、9月の首脳会談に向けた事前調整を行った。

 

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