政府閉鎖解除の妥協案、ドリーマー恩赦につながらず=トランプ氏

[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米大統領は20日、政府機関の一部閉鎖を解除するため19日に提案した妥協案について、幼少期に親と不法入国した「ドリーマー」と呼ばれる若者に対する恩赦にはつながらないと述べた。ただ、包括的な移民政策を巡る合意の一環として恩赦を支持するともみられる考えを示唆した。不法在留外国人の強制送還を求めない考えも示した。

一方、19日に提案した自身の妥協案をペロシ下院議長ら民主党が拒否したとして非難した。

トランプ大統領は19日、政府機関の一部閉鎖を解除するため、ドリーマーのほか、内戦や自然災害に見舞われた特定国からの移民に付与される「一時保護資格(TPS)」の保有者に対し、在留資格を3年間延長することを提案した。[nL3N1ZK00D]

大統領はツイッターに「私の提案に恩赦は含まれていない。提案は『DACA』(ドリーマーの強制送還を猶予する制度)を3年間延長するものだ。恩赦は移民やその他の政策に関するより大きな合意の一環としてしか使わない」と投稿した。

また「米国に不法に滞在する1100万人超の強制送還を強く求めることもしない。だがペロシ下院議長は油断すべきでない」とした。

恩赦を巡るトランプ氏のツイートについて、共和党のランクフォード上院議員はABCの番組で「大統領が何を恩赦と呼んでいるのか分からない」とし、「これは長期的な議論であり、速やかに解決できる問題ではない」と述べた。

民主党は国境警備を巡る協議を進める前に政府機関を再開させるよう求めているが、トランプ大統領の提案を受けて事態が進展する兆しも出始めている。

民主党のワーナー上院議員はNBCの番組で「大統領の19日の提案を出発点とする。ただ、まずは政府を再開する必要がある」と述べ、議会は閉鎖の影響を受けている連邦職員への給与支払いを承認する必要があると強調した。

下院国土安全保障委員会のトンプソン委員長(民主党)はABCの番組で「場合によっては壁を排除しない」と述べ、メキシコ国境の物理的な障壁に必ずしも反対しない考えを示したが、国境警備の問題を解決する上で、トランプ大統領の変わりやすい立場が問題になると述べた。

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