米与野党の有力上院議員ら、ボーイング737MAX8運航停止を要請

[ワシントン 12日 ロイター] – 米共和党の重鎮ロムニー上院議員と2020年米大統領選への出馬を表明している民主党のウォーレン議員は12日、ボーイング<BA.N>の最新鋭旅客機「737MAX8型機」の運航を一時停止するよう、米連邦航空局(FAA)に要請した。

10日に発生したエチオピア航空旅客機墜落事故を受け、欧州航空安全機関(EASA)のほか、英国やオーストラリアなど世界各国で同型機の運航を停止する動きが相次いでいる。

ロムニー議員はツイッターへの投稿で「事故原因を究明し、737MAXの耐空性を確認するまで、FAAは運航を停止すべき」と語った。

ウォーレン議員も、安全が確認されるまでFAAは即時に運航を停止すべきと主張した。さらに「737MAX8はボーイングの主要な収益源」と指摘し、「ボーイングの武器販売を守るためサウジアラビアに立ち向かうことができない米政権が同様の理由で人命を危険にさらしているかどうかを巡り、議会は公聴会を開催すべきだ」と語った。

これまでに他の民主党議員の間からも運航停止を促す声が上がっているほか、客室乗務員組合や米消費者団体が発行するコンシューマー・レポート誌も737MAXの一時的な運航停止を求めている。

FAAは議員らが示した見解に対しコメントを控えた。

トランプ大統領はこの日ツイッターへの投稿で、航空機の飛行にパイロットではなくコンピューター科学者が必要とされる時代となり、「航空機は過度に複雑化した」とコメント。「複雑になるにつれ危険も生まれる。物理学者アインシュタインが私のパイロットになることは望んでいない。航空機を容易かつ迅速に扱える優秀な飛行のプロを望む!」と述べた。

トランプ大統領のツイートが特定の航空機に関するものだったのかについて、ホワイトハウスからコメントは得られていない。

ホワイトハウスのサンダース報道官はフォックス・ニュースに対し、737MAX8型機の運航停止を巡る決定については「極めて初期の段階」にあるとし、ホワイトハウスは「適切な時期」に決定を行うために、FAAと緊密に連携していくと述べた。

関係筋によると、トランプ大統領はこの日、ボーイングのデニス・マレンバーグ最高経営責任者(CEO)と協議した。ただ協議の内容は伝わっていない。

ボーイングは声明で、上院議員らのコメントに直接言及することは避けつつも、「737MAXの安全性を全面的に確信している」とし、現時点でFAAから「追加的な措置」は命じられていないと応じた。

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