世の中の出会いはお別れ後の再会です。中国の民間伝説では、恩に報いるため、または借金を取り立てるために生まれ変わる物語が多くあり、世の中の出会いは偶然ではなく、前世の因果関係によるものであることを教えてくれます。
唐の時代に劉三復という人がいました。小さい頃は暮らしが貧しかったのですが、勤勉な性格でしっかりと勉強に精を出したので、成年後は科挙(かきょ)に合格して、尚書の官職につきました。
彼は自分の前世を覚えていて、前世は一匹の馬であったと言いました。そして前世のことをこのように述べました。「馬はしばしば喉が渇いて、遠くから驛站(古代の休憩場、馬を変える場所)が見えると興奮のあまり大声て鳴き出したりした。また馬蹄にけがをしてしまった時は、その痛みは心の底まで襲ってきた」
前世の記憶のせいなのか、劉三復は乗馬する時はいつも気をつけていて、砂利の多い道を走る時は必ずスピードを落とし、道で石を見つけた時は馬から下りて石を移動しました。また馬蹄にけがさせることを恐れ、家の敷居まで無くしました。
残された前世の記憶は、命を大切にすることを彼に教えました。
(翻訳編集・唐玉)
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