737MAX墜落、システム設計など原因=インドネシア最終報告

[ジャカルタ 25日 ロイター] – インドネシアの航空事故調査官は、昨年10月29日に乗客乗員全189人が死亡した格安航空会社ライオンエアのボーイング737MAX墜落事故について最終報告書をまとめた。25日に公表される報告書のコピーをロイターが確認した。

米規制当局から十分な監督を受けていなかったボーイング<BA.N>が、コクピットのソフトウエアにおける設計上のリスクを把握していなかったことが墜落の一因になったとしたほか、乗員によるミスもあったと結論付けた。

この事故の約5カ月後にはエチオピア航空の別の737MAXも墜落。世界的に同型機の運航停止につながった。

報告書は、機体の失速を防ぐためのシステム「MCAS」の設計を指摘。これが自動的に機首を押し下げ、パイロットが機体をコントロールするのが困難になったとした上で、「MCASの設計と認証の過程で、機体が制御できなくなる可能性を十分考慮していなかった」とした。

ボーイングはMCASの再設計に取り組んでいるが、米連邦航空局(FAA)からの認証は得られていない。

報告書はまた、乗員のコミュニケーションや手動操作における「不備」も墜落の要因になったとした。

インドネシアの航空事故調査官は会見で、事故は複雑なイベントの連鎖によって引き起こされたと説明。「われわれの認識では9つのイベントがこの事故につながった。このうち1つでも起きていなければ事故に至らなかった可能性がある」と語った。

ライオンエアの広報担当者は、事故は「考えられない悲劇」であり、同様の事故を再び起こさないよう是正措置を取ることが不可欠だと述べた。

ボーイングは、インドネシアの安全勧告を精査しており、737MAXの安全性向上に向けた措置を取っているとの声明文を発表した。

FAAは報告書の勧告を歓迎するとし、737MAXの再審査を進める中で勧告内容などを慎重に検討すると表明した。

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