NATO、進化しなければ衰退の恐れ=米国務長官

[ベルリン 8日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は8日、北大西洋条約機構(NATO)は変革を遂げなければ、衰退する恐れがあるとの見解を示した。

9日で30年を迎えるベルリンの壁崩壊の記念式典に合わせドイツを訪問中のポンペオ長官は講演後の質疑応答で、NATOは進化する必要があると言明。1949年に発足したNATOが70年の節目を迎える中で「拡大し、変化しなければならない」とし、「今日直面する現実や課題に立ち向かう必要がある」と語った。

さらに、加盟国がNATOに必要なリソースを拠出せず、コミットメントに沿うことなく安全保障という恩恵を得られると信じるのであれば、「NATOは無力化、もしくは衰退する恐れがある」と釘を刺した。

マクロン仏大統領は前日、トランプ米政権の予測不能な行動や内部の協力態勢の欠如を理由に挙げ、NATOは「脳死状態」と批判。メルケル独首相は過激過ぎる表現として否定的な見方を示すなど、波紋が広がっている。

これに先立ち行った講演では、ポンペオ長官はロシアや中国政府を批判。ロシアについては、中東政策を巡り「同盟国」とみなすことは理不尽との考えを示した。

中国に関しては、政府による市民弾圧を批判。さらに、ドイツでの通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL] による次世代通信規格「5G」構築への参画に警鐘を鳴らした。

中国外務省は同日、最近のポンペオ長官による中国共産党への批判を「極めて危険」で、同氏の「邪悪な意思」を示したと批判した。

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