タイのナイチンゲール

「人助けのために来た」6歳のタイ少女、怖がらずに医療活動

6歳の女の子カトゥーン(Katoon)は、自発的に医療活動に取り組む、タイの「ナイチンゲール」だ。彼女の人助けの精神は、ケガを負った人々の心さえ癒している。英文/中文メディアTop-newsが伝えた。

カトゥーンの父親は救急車運転手で、母親は看護師。タイの東北部ナコーンラーチャシーマーに住んでいる。2歳から、両親のボランティアの医療指導の活動に付き添ってきた。

医療活動に取り組むkatoonと両親(Top-news)

  緊急治療が必要な場面を見て、恐れることなく、ケガ人を助けようとしてきたという。時には、流れ出た血や遺体を目にすることもあるが、カトゥーンが臆することはない。また、不満を口にすることもないのだという。

「娘は小さいころ、負傷者へ緊急用の食事を配布するようになった。それから助けを求める人を救う活動をはじめた。彼女が文句を言ったことはない」と父親は語った。

カトゥーンの人助けの心が、どれほどケガを負った人々の心を癒しているか、本人でさえ気づいていないかもしれない。

「いつ(人助けを)始めたか覚えていないけれど、いつもお父さんとお母さんが、ボランティアの緊急時の医療指導に連れていってくれたのは覚えている。そして、どんなふうに傷を手当したらいいかを教えてくれた」。

困っている人を思いやる彼女の心は、実際の医療行為よりも、人々に貢献しているだろう。

「たくさんの人が私のことを好きになってくれた。時々、写真を一緒に撮るのを頼まれたり、少しの食べ物やお金をくれたりする。これらは貧しい人々やお年寄りにあげているわ」。

幼ない子どもならば、ケガ人が出る事故や騒動を目撃すれば、オバケやゾンビなどの見えない存在に恐れるだろう。驚くべきことに、カトゥーンはこうした幽霊に恐怖心がない。

「どうしてそんなものが怖いの? オバケなんて見たことない。小さいころから遺体は見てきたし、応してきた」。

父親は、娘に勇気を示すことを教えている。「お父さんは言ったわ。怖がることなんかない、私たちは人を助けるために来ているのだ、と」。

(翻訳編集・佐渡 道世)