ウクライナによる選挙干渉疑惑はロシアの「作り話」、米高官証言

[ワシントン 21日 ロイター] – トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る米下院情報特別委員会の弾劾公聴会で、国家安全保障会議(NSC)のヒル元上級部長(欧州、ロシア担当)は21日、ウクライナによる2016年大統領選への干渉疑惑はロシアが拡散した「作り話」であると証言した。

ヒル氏は「当委員会の委員の中にはロシアではなくウクライナが選挙介入を行ったと考える向きもあるようだが、これはロシア側が広めた作り話だ」と発言。「弾劾調査においては各委員ともロシアに有利な政治主導の虚偽を宣伝しないようお願いしたい」と述べた。

またロシア側は来年の大統領選への干渉に向け準備を進めており、阻止するための時間はあまり残されていないと指摘した。

さらに、トランプ氏の個人弁護士を務めるジュリアーニ氏によるマリー・ヨバノビッチ前駐ウクライナ大使への中傷について、ヒル氏はボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に遺憾だと伝えたことを明らかにし、ボルトン氏は心苦しそうに「(ジュリアーニ氏による中傷に)対応できないことを基本的にはボディーランゲージで示していた」と語った。

一方、ともに公聴会に出席した在ウクライナ米大使館のホームズ参事官は、ウクライナ外交を巡って3月以降、ジュリアーニ氏が幅をきかせるようになったと証言。7月18日に行政管理予算局(OMB)の当局者が対ウクライナ軍事支援の凍結を明らかにした際、「衝撃を受けた」とし、「この当局者によると、指示は大統領からで、マルバニー首席補佐官代行を通じてOMBに伝えられた」とした。

ホームズ氏は7月26日のトランプ氏とソンドランド駐欧州連合(EU)大使との電話に関しても証言。トランプ氏がソンドランド氏に対し、調査に関するウクライナのゼレンスキー大統領の意向について尋ねると、ソンドランド氏は調査を実施する方針であることを伝えたという。

またゼレンスキー大統領がトランプ氏からの依頼なら何でも行うつもりであることをソンドランド氏が述べていたことも明らかにした。

ソンドランド氏は20日の証言で7月26日のトランプ氏との電話について詳細を思い出せないとした。トランプ氏もソンドランド氏との電話を覚えていないと述べている。

情報特別委の弾劾公聴会は21日が最終日となる。

*内容を追加しました。

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