ECB金利据え置き、新総裁は「フクロウ派」 独自スタイル強調

[フランクフルト 12日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)は12日の定例理事会で政策金利を予想通り据え置くとともに、引き続き追加利下げの可能性に含みを残した。また長期にわたり低金利を維持し、月額200億ユーロのペースで安定的に資産買い入れを継続する方針を示した。

ラガルド新総裁は就任後初の記者会見の冒頭で、「私には独自のスタイルがある。拡大解釈や勘ぐり、相互参照はしない。ありのままの自分でいるつもりだ」と指摘。報道陣だけが「聴衆」ではないとし、ECBのメッセージを広範に届けるために専門用語ではない様々な用語を用いると述べた。

またドラギ前総裁が9月に発表した景気刺激策に不快感を示した複数のECB理事会メンバーとともにコンセンサスを模索することが目標であると強調。「はっきり申し上げておきたいが、私はハトでもタカでもない。私の夢は知恵の象徴であるフクロウになることだ」とした。

DNBのエコノミスト、シェルスティ・ハウグランド氏は「ラガルド氏が総意を目指す姿勢を明確に打ち出したことで、今後タカ派の影響力が強まることも予想される」と指摘した。

来年のユーロ圏の経済成長率見通しに関しては従来の1.2%から1.1%に引き下げたほか、来年のインフレ率は1.1%と目標の2%近傍を依然大きく下回る水準に設定した。

初めて公表した2022年の経済成長率見通しは1.4%、インフレ率見通しは1.6%に設定。22年第4・四半期に限ってはインフレ率は1.7%と見込んだ。ラガルド氏は「方向性としてはもちろん良いが、これが追求すべき目標かと問われれば、その答えはノーだ」と語った。

戦略見直しに関しては来年1月から開始し、年末までの完了を見込む。ラガルド総裁は見直しについて「あらかじめ決められた着地点はない」 とし「実際にはやや期限切れで、遅れていると考えている」と述べた。

また見直しは「包括的でなければならず、あらゆる問題を検討する必要がある。時間はかかるが、かかり過ぎるということはない」と指摘。「従来の専門家にとどまらず、欧州議会の議員や学術関係者、市民社会の代表などからも意見を聴取する予定で、われわれは単に政策を発信するだけではなく、聞く耳を持っていることも示したい」とし、気候変動や不平等に起因する「巨大な課題」にも取り組むと語った。

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