感謝することについて研究しているある研究者は、人に感謝すること、また他の人に感謝の気持ちを表現することは、私たちの健康と幸せにいい影響を与えるということが分かりました。感謝するということは、気分がよくなるだけでなく、周囲の人々との信頼を築き、相手との深いつながりを持つことにもつながります。
感謝することの効果は主に2人の人間の間で見られます。感謝を言う方とそれを受け取る側です。 現在、新しい研究では、この効果が一対一の人間関係の改善だけではなく、グループ全体にその効果があるということが示唆されています。
ノースカロライナ大学のサラ・アルゴー氏たちは、感謝する人が感謝されているに対して感謝することがグループ内での人たちの感情にどのように影響するかを調査するために複数の実験を行いました。
その結果、「感謝の表現を目撃し、それに対して感謝をしている人は、他の人が親切なことをすることに気づく人たちなのです。つまり社会的なパートナーとしてきちんと感謝の表現をする人は本当に理想的な人です。」
また他の実験で寄せられた質問からも「感謝の気持ちを受け取ることは、その感謝を伝えてくれた相手を支えたり助けたりするのに効果的な人として認識するからだ」と分かりました。
「私たちの生活する環境の中で、素晴らしい行いをしてくれる人が誰であるかを知ることにはメリットがあります。というのも彼らは魅力的なパートナーだからです」
さらに実験は続きます。
実際のカップルの1人のメンバーがパートナーに感謝を表したビデオを視聴者に見てもらうというものです。 ビデオは、感謝している人がパートナーの優れたところ(話をよく聞いてくれるところや寛大な性格など)を称賛し、パートナーのその寛大さがいかにすばらしいものかを話しています。
この実験の結果、参加者は、個人的にどのように利益を得たか分かりやすく説明した人よりも、パートナーを称賛したその本人に惹きつけられていることがわかりました。 パートナーの良さを語るその人の魅力が高ければ高いほどそれを見ている人への影響は強くなるのです。
興味深いことに、サラの調査結果は、感謝をしているところを見た目撃者、感謝する人々、または恩人について性別の影響を受けませんでした。男性は相手に感謝をすると自分が弱く見えたり、負い目を負ったりすることを恐れるかもしれませんが、感謝を表明した男性は、そうでない人よりも有能だと評価されました。
これらの調査結果は、感謝の表現のおかげで関係者(感謝の人と恩人)に社会的なつながりを持たせ、ダイアドを超えて広がり、グループ全体に反響する可能性があるということが分かりました。
「これが職場でどのように機能するか想像するのは簡単なことです。人々は実際に他の人の善行と親切を受け止め、感謝しているのです。グループ全体がお互いに親切になるようにインスピレーションを受けることができ、さらにグループ自体がより機能的なグループになることができました。」
つまり、私たち全員がより頻繁に感謝の気持ちを表すべきだということです。その表現方法は状況や文化によって異なる場合があります。彼女は、状況によっては、口頭ではなくハグをしたり、花を贈ったりすることも効果的だということです。別の状況では、シンプルに「ありがとう」と言う方が効果が高いこともあるでしょう。
いずれにせよ、周囲の人々の良い行いを認め感謝を表すことが大事だということです。
「感謝の表現は、人間関係の構築おいてはとても有効な独特の感情的な体験のようです」とサラは言います。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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