中国でオンラインゲームや動画アプリの利用急増、新型肺炎で

[北京/上海 4日 ロイター] – 中国では新型肺炎の感染拡大で人々が外出を控える中、オンラインゲームや動画アプリの利用が増えている。

テスラ<TSLA.O>やメルセデスベンツ<DAIGn.DE>などの自動車メーカーも、家で時間を持て余している消費者を念頭にオンラインの販促活動に力を入れている。

山東省のある中学校教師は「春節休暇中はあまりにも退屈で、少なくとも1日8時間はスマホをいじっていた」と語る。

投資家も、こうした巣ごもり消費に注目。株式市場ではゲーム関連株が上昇している。

4日の香港市場では騰訊控股(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>が2%上昇。米国市場に上場する網易(ネットイース)<NTES.O>も3%近く値上がりした。

中国の動画共有サイト「ビリビリ」<BILI.O>も7%近く急騰。検索サイトの百度(バイドゥ)<BIDU.O>、電子商取引大手のアリババ<BABA.N>も値上がりした。

アワーパーム<300315.SZ>などモバイルゲーム開発会社5社の株価は、4日の取引で10%急伸しストップ高となっている。

アプリ調査データを提供するアップアニーによると、バイトダンス傘下の動画配信プラットフォーム「西瓜視頻」では、1月20─26日の週間ダウンロード件数が77%急増。映画の無料配信を発表したことが寄与した。

健康管理アプリや、オンラインでフィットネスのトレーニングプログラムを提供する「Keep」などフィットネス・アプリも人気だ。Keepは週間の収入が15%増加。スマホ医療アプリの「平安医好生」もダウンロード件数が1186%急増した。

バーンスタイン・リサーチのアナリストは3日付のリポートで、様々な商品やサービスをオンラインで調達する傾向が強まっており「中国のインターネット企業・物流企業は(新型肺炎の影響を)受けにくいとみられる」と指摘。

国金証券のアナリストは、テンセントの大ヒットゲーム「王者栄耀」が1月24日の大晦日に最大20億元(2億8600万ドル)の売り上げを記録したと推計している。テンセントはコメントを控えている。

病原菌を広めて世界を滅亡させるゲーム「伝染病株式会社」もアップストアのランキング上位に登場。調査会社のセンサータワーによると、1月のダウンロード件数は7万8000件と、昨年12月の1万6000件から急増した。

前出の中学校教師は「多くの学生が春節休暇中にゲームで遊んでいる」と指摘。この教師も毎日5時間以上ポーカーゲームなどを楽しんでいるという。

米電気自動車大手のテスラは、動画アプリを通じた販売イベントのライブ配信を強化。メルセデスベンツも、コンパクトSUV(スポーツ用多目的車)「GLB」の車内を360度の視界で体験できる仮想現実サービスを提供している。

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