訪日中国人1月は22%増、新型肺炎の影響2月以降に

[東京 19日 ロイター] – 日本政府観光局が19日に発表した1月の訪日外国人客数は、前年同月比1.1%減の266万1000人で4カ月連続の減少だった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため海外への団体旅行を27日から禁止した中国は22.6%増加の92万4800人となった。ただ、観光庁では、影響は2月以降出てくるとみている。

中国などの春節休暇は、昨年は2月だったが今年は1月24日からの10日間だった。このため1月は、多くの国からの訪日客が2桁の増加を記録した。中国も「最初の20日間は非常に好調だった」(観光庁)という。

中国政府が海外への団体旅行を禁止した1月27日以降は訪日を含めた中国からの出国者が激減している。田端浩観光庁長官は会見で、期間の違いや曜日の関係から単純な比較は難しいとしながらも、昨年の春節との比較では中国は約2割の減少になると述べた。

観光庁によると、2月に入ってから、中国と日本の間の航空定期便は約7割減少、2月に日本に寄港する予定だったクルーズ船ツアーは14のうち13が中止となった。同長官は「クルーズについては、厳しい状況にある」と述べた。

2020年に訪日外国人客4000万人を達成する政府の目標について、同長官は「官民をあげて、政府が一丸となり、しっかり取り組んでいく」と述べた。また、今後は、状況を見ながら適切なタイミングで訪日に関するプロモーションを実施する考えも示した。

<アベノミクスの柱インバウンド消費に暗雲>

訪日客の増加によるインバウンド消費はアベノミクスの柱の1つとされてきた。外国人客数はアベノミクスを打ち出した2013年の1036万人から2019年には3188万人と3倍以上に増加、政府は20年の4000万人達成を目指している。ただ、日韓関係悪化を受けた昨年の韓国人客数の減少やコロナウイルスの影響で目標達成は事実上困難な情勢となっている。

19年の訪日外国人は前年比2.2%増の3188万2100人で過去最多を記録。そのうち中国人は14.5%増の959万4300人と約30%を占めている。さらに同年の中国人の旅行消費額は1兆7718億円に上り、訪日客全体の消費額(4兆8113億円)の36.8%を占めた。

日本旅行業協会によると、団体旅行で日本を訪れる予定だった中国人旅行者のキャンセルは、1月末から3月末までに少なくとも40万人に上る可能性があるという。

BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏は、近年ブームが続いていた中国からの訪日客の減少は、日本の内需セクターにかなりの影響を及ぼすとみている。同氏はリポートで「2019年の日本経済は、米中貿易摩擦による製造業の減速にもかかわらず、比較的堅調に推移していた。これは、非製造業が堅調を保っていたためだが、インバウンド消費が改善を続けていたことが背景にある」と指摘。

「非製造業の設備投資が堅調だったのも、訪日客の増加で宿泊業などの建設投資が堅調を保っていたことも大きく寄与していた」とし、全体の3割を占める中国からの訪日客が激減するインパクトは相当に大きいとみる。また、コロナウイルスの感染を恐れ、欧米からの訪日客が抑えられる可能性もあるとしている。

政府・日銀も今後の経済活動に与える影響に懸念を示している。麻生太郎財務相は18日の会見で、新型コロナウイルス感染拡大の経済への影響について「よく見ていかないといけない」と述べた。

日銀福岡支店は18日公表の金融経済概況で、外国人旅行者の団体クルーズ船が多く寄港する九州・沖縄の景気について「緩やかに拡大している」との基調判断を維持したものの、先行きについては「新型コロナウイルス感染症の影響等に注意する必要」があると指摘。個人消費関連の動向では、旅行・観光業に「新型コロナウイルス感染症などの影響から弱めの動きがみられている」との判断を示した。

国内企業も、マイナスの影響に留意している。キリンホールディングス<2503.T>は決算会見で、イベント中止などが相次ぐと業務用酒類などへの「打撃が大きい」と警戒感を示した。インバウンド消費の恩恵を受ける資生堂 <4911.T>や花王<4452.T>も決算会見で、影響を注視する考えを示した。

*内容を追加しました。

 

(宮崎亜巳 編集:内田慎一)

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