【身近な植物】「七草粥」でお馴染みの繁縷(ハコベ)

ハコベは日本全土の日の当たる野原など、どこにでも見られるナデシコ科の2年草。春から夏にかけて盛んに繁殖し、枝先に、2つに裂けた5弁の白い花が咲きます。日だまりでは冬でも花をつけることもあります。全体が小さいコハコベ、食用、薬用になるミドリハコベ、他にウシハコベなどがあります。ハコベ(普通はコハコベを指す)はほとんど1年中生育しているので、必要なとき全草を採取します。全草を天日乾燥したものが、生薬の繁縷(はんろう)です。

「はこべ塩」は日本独特の民間療法のようです。作り方はハコベの地上部をミキサーにかけてジュースを作り、油気のないフライパンで食塩を炒りながら汁を少量ずつ加えて乾燥させます。歯茎が出血したり、痛むとき効果があるとされますが、あくまで予防の目的で利用すべきでしょう。江戸時代には歯磨き粉として利用されたとの記載があります。

「七草粥」は、お正月のごちそうに疲れた胃腸をいたわり、青菜の不足しがちな冬場の栄養を補給する効用もあり、正月最後の1月7日に「七草粥」を食べることで、新年の無病息災を願うようになりました。

▶ 続きを読む
関連記事
運動、仕事、学び、片づけ。成果を生む共通点は「完璧にやる」ことではなく、定期的にその場に立つことだった。
肌のくすみは紫外線だけでなく、睡眠不足や光刺激、ホルモン変化でも進行する。皮膚科医が、安全に透明感を回復させる正しいケアと注意点を解説。
「天然で安全」は本当?大規模研究が、メラトニンの長期常用と心不全リスク上昇の関連を示唆。睡眠サプリの思わぬ落とし穴と、賢い付き合い方を考えるための重要な一報です。
冬は気分の落ち込みや筋骨の弱りを感じやすい季節。チンゲン菜・しいたけ・厚揚げを組み合わせ、肝の滞りをほどき腎を養う冬向きの養生料理を紹介します。
世界の健康食物ランキングで、アーモンドが首位に。さらにラード(豚の脂)もトップ10入りし、健康常識の見直しを促す結果となった