5月、記者会見に臨む安倍晋三首相(GettyImages)

日本における中国の影響力 注力は「沖縄」=米有力シンクタンク

米有力シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)はこのほど、日本における中国の影響力についての報告書を発表した。報告には、2年間(2018~19年)かけて約40人の専門家にインタビューした。CSISの報告では、「日本における中国の影響力は他の民主主義国に比べて限定的」だとしながらも、日本当局の不対応により警戒心を高める必要があると指摘する。

「日本のどこにも中国文化の影響があり、言語、芸術、料理、文学、建築、音楽、法律、哲学にまで及んでいる。戦争、侵略、敵対関係を含む日中関係が2000年も続いたため、日本社会は中国と共存することに慣れている。このなかで、日本は、中国の政治的な戦いでは『難攻不落』であることを理解している」と隣国のスーパーパワーとの関係を指摘した。

報告では、最近のドイツ・マーシャル基金の分析を引用して、中国が世界中で展開する戦術には、中国経済の武器化(取引の強制や制限)、物語的優位性の主張(プロパガンダと偽情報)、エリート仲介者の依存、在外華人の道具化、権威主義的支配の浸透などがあるとした。中国は、例に倣って日本に対してもこうした工作を行い、表向きの外交から、個人的な接触などの機密、強制、腐敗(3C、covert, coercive, and corrupt)を用いている。

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