米大統領選、終盤に バイデン・トランプ両候補が批判の応酬

[ランカスター(ペンシルベニア州)/ワシントン 7日 ロイター] – 米大統領選が終盤戦に入るとされるレーバーデーの7日、再選を目指すトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領は激しい批判の応酬を繰り広げた。トランプ氏はバイデン氏を米経済への脅威で「愚か者」だと表現し、バイデン氏はトランプ氏が戦死した米兵を侮辱したとの報道を受けて攻撃を強めた。

トランプ氏はホワイトハウスで開いた記者会見で「バイデン氏と非常にリベラルな副大統領候補(カマラ・ハリス氏)はこの国を破壊し、この国の経済を破壊するだろう」と訴えた。ハリス氏は「議会で最もリベラルな人物で私に言わせれば能力がない」とも述べた。

トランプ氏が戦死した米兵を「間抜け、負け犬」と呼んだとの米誌アトランティックの報道を改めて「でっち上げ」と否定。「私ほど米軍や米軍のために命をささげた人々を尊敬している人はいない」と強調した。

激戦州のペンシルベニアで選挙活動を展開したバイデン氏は、トランプ氏による戦死者侮辱の報道を取り上げる中で、イラク戦争に従軍し、2015年に病死した長男のボー・バイデン氏に触れ、「(彼は)負け犬でも間抜けでもなかった。彼はヒーローたちと兵役を務めた」と述べた。

11月3日の大統領選まで60日を切る中、バイデン、トランプ両氏は今週、激戦州を相次ぎ訪れる予定。トランプ氏は支持率でバイデン氏に後れを取っているが、一部の世論調査では差が縮まっている。

バイデン氏はペンシルベニアの州都ハリスバーグで労組トップらと面会。米国最大の労組である米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)のリチャード・トラムカ会長とはオンラインイベントで話をし、組合員からの質問に答える時間も設けた。

バイデン氏の選対陣営は、新たに3つの労組から支持を取り付けたと発表した。

同氏は、米国史上で「最強の労働者の大統領」になると宣言。企業の役員が労組の組織化に介入した場合は法的責任を負わせるほか、最低賃金を引き上げ、全米労働関係委員会を強化すると約束した。

「ウォール街の金融の達人がこの国を動かしているわけではないと誰もが気付いたはずだ。この国を動かしているのは必要不可欠な労働者であるあなた方だ」と強調した。

一方、トランプ氏は、バイデン氏が勝利すれば、新型コロナウイルス対応の経済封鎖を再び実施するだろうと主張。

「中国ウイルスに対してバイデン氏は、米経済全体を封鎖するつもりだ」とし、「何千万人もの人を失業させ、自殺や薬物乱用、精神的な落ち込み、心臓病などの非常に深刻な病気で多くの死者が出るだろう」と述べた。

トランプ氏は週内に勝利の鍵を握るとされるノースカロライナ、フロリダ、ミシガン、ペンシルベニアの各州を訪れる計画。

2016年の大統領選でトランプ氏が僅差で勝利を収めたペンシルベニア州の世論調査では、バイデン氏が一貫してトランプ氏をリードしてきたが、その差は6月下旬の平均約8ポイントから4─5ポイントに縮小している。バイデン氏は11日に再び同州を訪れる予定。

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