2050年までに10億人以上が避難民に、食料不足や自然災害で=報告

[ロンドン 9日 ロイター] – シンクタンクの経済平和研究所(IEP)が環境問題についてまとめた報告書によると、人口の急増や食料・水不足、自然災害などにより、2050年までに世界で10億人以上が避難民になるとみられている。

世界の人口は2050年までに100億人近くに増える見通し。これに伴い、資源を巡る争いが激化し、紛争が起きる結果、サハラ以南のアフリカ、中央アジア、中東で2050年までに最大12億人が移住を迫られる可能性があるという。

環境問題や紛争を背景に2019年に避難民となったのは約3000万人だった。

IEPの創設者スティーブ・キレリー氏は「途上国だけでなく、先進国にも非常に大きな社会的・政治的な影響が及ぶ。大量の避難民が発生し、先進国に流入する避難民が増えるためだ」と述べた。

調査では、国連などのデータを基に、食料不足・水不足・人口増加のリスクと、洪水・干ばつ・サイクロン・海面上昇・温暖化など自然災害のリスクの双方を検証。調査対象の約150カ国が、それぞれどの程度のリスクに直面し、どこまで対応能力があるかを試算した。

これによると、インドや中国などの地域で水が不足するリスクが高いほか、パキスタン、イラン、モザンビーク、ケニヤ、マダガスカルなどの地域は、複数のリスクが重なり、対応能力も低下すると予測されている。

キレリー氏によると、世界の飲料水は50年前から60%減少。食料需要は、アジアの中間層拡大などを受けて、今後30年で50%増加するとみられている。

気候変動を背景に、自然災害は増加の一途をたどる可能性が高く、これに水・食料不足が重なれば、今安定している国も2050年までに状況が悪化するリスクがあるという。

IEPは、今回の分析が、環境問題を重視した支援政策・開発政策の立案につながることを期待すると表明した。

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