豪産ロブスターの中国への出荷止まる、通関手続き煩雑化受け

[シドニー 2日 ロイター] – オーストラリア産ロブスターの最大の輸出市場である中国で新たな通関検査項目が追加されたため、豪側は手続きの遅延を理由に出荷を停止した。豪州の業界団体と政府が明らかにした。

両国関係が悪化する中での通関手続きの遅れを受け、豪州では中国がロブスターを報復措置の新たなターゲットにするとの懸念が出ている。

オーストラリアのリトルプラウド農業相は30日に導入された通関検査項目について豪側は「深刻に懸念」しているとし、中国に説明するよう働き掛けていると述べた。

同相は豪公共放送(ABC)に対し、鉱物と金属の成分について検査が行われているとし、オーストラリアでも出荷前に検査が行われていると説明した。

業界団体「海産物貿易アドバイザリーグループ(STAG)」は1日、国内の輸出業者の大半は、検査項目の追加で手続きが長引く恐れがあるため、中国へのロブスターの出荷を停止したと明らかにした。新たな手続きに関する詳細が判明するまでの措置だとした。

政府統計によると、2018/19年度のオーストラリア産ロブスターの輸出額7億5200万豪ドル(5億2700万米ドル)のうち、中国向けが約94%を占めた。

一方、豪州の輸出業者、サザン・ロックロブスターの幹部は、「これが貿易摩擦に関係していると語るのは拡大解釈のし過ぎだ」との見方を示した。「今日中に新たな検査手続きについて多くのことが分かるだろう」とした。

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