米大学の研究、中国軍による悪用防ぐため独立委員会が対策提言

[オークランド(米カリフォルニア州)/ワシントン 28日 ロイター] – 米政府から委託され、AI(人工知能)や関連技術の発展について国家安全保障の観点から調査を行う独立委員会は、議会に提出予定の最終報告書で、重要な技術が中国軍に盗まれることを防ぐため、米国の教育機関は対策を講じるべきだと提言した。

この委員会「The National Security Commission on Artificial Intelligence(NSCAI)」は、国家安全保障と国防分野の観点からAIや関連技術の開発を検討する目的で2018年に設立され、米グーグルの元最高経営責任者(CEO)が委員長を務めている。

米当局は昨年、査証(ビザ)申請の際に中国軍との関係を隠したとして米国の教育機関などで働く少なくとも5人の中国人研究者を起訴した。

NSCAIは、大学の研究費やパートナーシップについて今以上の情報開示を義務付けるほか、個人や各機関に関するデータベースを構築するよう提言している。

シリコンバレーのベンチャーキャピタリストであり、NSCAI委員でもあるギルマン・ルイ氏は、どの機関に属しているかではなく、データベースに基づき個別のケースごとに対応を判断できるようになると説明した。

最終報告書の草案には、AI分野における競争や半導体のサプライチェーン(供給網)についての提言も盛り込まれている。NSCAIは1日に最終案の投票を行い、その後報告書を議会に提出する。

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