対中貿易戦争の効果鮮明 米国の対中赤字20年ぶり低水準

2026/04/24 更新: 2026/04/24

米中貿易の構図に変化の兆しが出ている。最新データによると、米国の対中商品貿易赤字と、中国からの輸入品が米国の輸入全体に占める割合はそろって低下し、いずれも約20年ぶりの低水準となった。トランプ政権が長年進めてきた関税政策やサプライチェーンの見直しが、実際の変化として表れ始めているのか、注目が集まっている。

米中の通商関係には重要な変化が見え始めている。米通商代表部(USTR)のグリア代表によると、2025年の米国の対中商品貿易赤字は約2千億ドルとなり、2004年以来の低水準となった。また、中国からの輸入品が米国の輸入全体に占める割合も約9%まで低下し、2001年以来の最低水準を記録した。

こうした2つの指標がそろって低下したことは、米中の貿易構造の変化を示す重要な兆候と受け止められている。

一方、米企業の投資動向にも変化が出ている。2025年第4四半期には、設備投資関連の受注が増加を続け、月間で40億ドルを超える水準となった。これは中国共産党(中共)のWTO加盟前の水準に戻ったことを意味し、製造業への投資が徐々に米国内へ戻りつつあることを示している。

今回の変化は、単なる景気循環ではなく、政策要因と密接に結びついているとの見方が出ている。

専門家は、関税によって中国製品の対米輸出コストが上昇し、企業がサプライチェーンの再構築を迫られた結果、一部の産業で中国から第三国への移転や、米国内への回帰が進んでいると指摘している。

サウスカロライナ大学エイキン校の経済学教授、謝田氏は、「これはまさに米中貿易戦争、そしてトランプ大統領の関税戦争の結果だ。2004年や2001年の水準まで下がったということは、中国が米国市場で優位に立ち、米国市場で大きな利益を上げ、巨額の貿易不均衡の恩恵を受けてきた構図が逆転したことを意味する。基本的には、中国経済を20年前の水準に押し戻したということだ」と述べた。

謝氏はさらに、貿易赤字の縮小の背後には資金の流れの変化があると分析する。これまで米国は長年にわたって対中赤字を抱え、その結果として米国の資金が継続的に中国へ流れる構図が生まれ、中国の産業拡大を支えてきた。赤字の縮小は、そうした循環を弱めることにもつながるという。

産業面では、サプライチェーンの再編がすでに始まっているとの見方が出ている。生産拠点を米国に戻すにせよ、他国へ移すにせよ、核心にあるのは単一の供給源への依存を減らすことだ。

謝田氏は、「つまり、米国はもはや中共にそれほど多くの資金を供給しないということだ。巨額の貿易赤字という形で資金を注ぎ込み、中共がその金を使って世界各地で問題を引き起こすような状況を許さない。また、中国からの輸入比率を引き下げることで、製造拠点は中国から移転し、あるいは米国へ回帰することになる」と指摘した。

ただ、謝氏は、製造業の国内回帰が一朝一夕に進むものではないとも指摘する。企業は依然として、コスト、人材、インフラの間で慎重な判断を迫られており、サプライチェーンの再構築は長期的なプロセスになるとの見方を示した。

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