新設「中東情勢等対応予備費」に2.5兆円 片山財務相が財政演説で表明

2026/06/04 更新: 2026/06/04

令和8年6月3日、第221回国会において片山財務大臣による財政演説が行われ、中東情勢を受けた対応に必要な財政措置を講じるため、政府が提出した令和8年度補正予算案の大要を説明した。

背景とこれまでの対応

政府は中東情勢を受け、国民生活と経済活動を守るべく、令和7年度予備費等を活用した燃料油価格の激変緩和措置など、緊急的な対応を実施してきた。さらに、5月26日には、電気・ガス料金について、使用量が増加する7月から9月の料金を昨年夏の水準より下げるための支援策として、令和8年度当初予算の一般予備費の使用を決定している。また、国際的なサプライチェーンへの影響への対応としては、「パワー・アジア」の取り組みなどを通じて、地域全体のエネルギー安全保障の強靱化に向けた連携強化を打ち出している。

令和8年度補正予算編成の狙い

今回の補正予算は、依然として不透明な中東情勢の中、今後の物価動向や経済への影響を注視し、必要に応じてタイムリーな対応をとるための「リスクの最小化」を目的としている。国民の暮らしや経済活動に支障が生じないよう、資金面での万全の備えを確保する狙いがある。

補正予算の大要

令和8年度補正予算における一般会計の歳出総額は、約3兆1,100億円である。その具体的な内訳は以下の通りである。

  • 重点支援地方交付金の追加(1,000億円):特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地域の実情に応じた支援を追加実施する。
  • 一般予備費の復元(約5,100億円):電気・ガス料金の支援決定によって減少した一般予備費の残高を1兆円に復元する。
  • 「中東情勢等対応予備費」の創設(2兆5,000億円):中東情勢に伴うエネルギー価格高騰をはじめとする、国際情勢の変化による影響に対応するための新たな予備費を計上する。

これらの措置により、令和8年度一般会計の補正後予算総額は、当初予算から約3兆1,100億円増加し、約125兆4,200億円となる。

財源と国債市場への影響

補正予算の歳入としては、約3兆1,100億円の特例公債を発行する方針である。ただし、前年度分の特例公債のうち、6月までに発行が予定されていた3兆円分については、税収や歳出不用の見込みを踏まえ、実際には発行せずに済む見通しが立っている。これにより国債発行予定額の全体調整が可能となり、市中への発行総額を増やすことなく対応できるため、国債マーケットへの影響は生じないとしている。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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