カナダ産原油 1年ぶりに日本への出荷 ENEOSが購入

2026/07/31 更新: 2026/07/31

カナダ産原油を積んだタンカーがこのほど、日本に向けて航行している。カナダ産原油が日本に輸送されるのは、2025年初頭以来初めてとなる。一方、カナダのマーク・カーニー首相は、アメリカ向けの石油供給を制限せず、エネルギーを対米貿易交渉の材料にも利用しない考えを示した。

ロイター通信が7月29日に報じたところによると、ロンドン証券取引所グループの船舶追跡データでは、原油を積んだタンカーはすでにカナダ西海岸を出港し、日本に向かっている。

原油を輸送しているのは、マーシャル諸島船籍のアフラマックス型タンカー「フリーダム・グローリー」号で、積載能力は75万バレル。

積み荷は、アルバータ州からトランス・マウンテン・パイプラインを通じてバンクーバーまで輸送された原油で、目的地は鹿児島県の喜入となっている。同船はエクソンモービルが用船し、石油元売り最大手のENEOSが原油を購入した。

ロイターは、イランを巡る衝突によって中東の石油供給が逼迫するなか、日本が中東以外の原油調達先をさらに模索していると伝えた。一方、カナダではトランス・マウンテン・パイプラインの拡張により、海外市場への原油輸出能力が高まっている。

カナダの原油輸出の約9割はアメリカ向けで、日本は長年にわたり中東産原油に依存してきた。アルバータ州政府は今年6月、日本を含むアジア市場への原油輸出を増やし、アメリカ市場への依存を減らしたいとの考えを示していた。

一方、米政府が一部のカナダ製品に新たな追加関税を課す方針を示したことを受け、カナダ国内では、アメリカ向け石油輸出の制限や輸出税の導入を対米交渉の材料にすべきだとの声も上がっている。

これに対し、カーニー氏は29日、こうした案に否定的な見方を示した。カナダはアメリカ国向けの石油供給を制限せず、エネルギーを貿易交渉の手段として利用することもないと述べた。

カーニー首相は、信頼できるエネルギー供給国とみなされていることがカナダの大きな強みの一つであり、「信頼」は最も重要な資産の一つだと強調した。

カナダは現在も、アメリカにとって最大の外国産原油の供給国となっている。カーニー氏は、今後も交渉を通じてカナダの利益を守るとした一方、現時点では、エネルギー輸出を制限することでアメリカとの貿易摩擦に対抗する考えはないと述べた。

楚方明
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