中国の半数の家庭 預金9万元未満との指摘

2026/09/30 更新: 2026/09/30

中国本土の一般家庭が30万元を貯めることがどれほど難しいかが、このほど議論を呼んでいる。調査によると、半数の家庭の預金は9万元(約210万円)に満たない。

一般家庭の貯蓄は限られ、半数が9万元未満

香港経済日報は29日、中国本土はここ数十年で経済が急速に発展し、世界第2位の経済大国となったため、30万元(約700万円)の預金を持つ家庭は少なくとも半数以上あるのではないかと問いかけた。しかし、実際はそうではない。大多数の一般家庭にとって、この金額を貯めることは容易ではなく、達成した家庭はすでに「人並み以上」といえるという。

報道によると、7月末時点の中国本土の家計預金総額は約172兆8400億元(約4050兆円)だった。総人口で割ると1人当たり約12万3千元(約288万1650円)となり、3人家族の平均預金は36万元を超えるはずに見える。しかし記事は、こうした平均値は少数の裕福な家庭によって押し上げられやすく、一般家庭の実際の貯蓄を表していないと指摘した。

また、西南財経大学の中国家庭金融調査・研究センターが10年以上にわたり追跡してきた全国の家計預金の中央値を引用した。2026年のデータによると、その中央値はわずか8万7千元(約203万円)だった。これは、全国の半数の家庭が、全ての銀行カードの口座や微信(ウィーチャット)、支付宝(アリペイ)にある資金を合わせても、9万元に届かないことを意味する。

北京大学新構造経済学研究院の王勇副院長も以前、新京報への寄稿で、中国本土の半数の家庭の預金は9万元未満で、家計預金総額の約7割を上位10%の住民が保有していると述べた。

王氏は、中国本土の内需の弱さはなお根本的に改善しておらず、主な問題は依然として住民の所得と資産にあると指摘した。大多数の家庭は貯蓄が少なく、こうした家庭の所得と資産を増やすことが、引き続き消費を拡大する主な方法だとしている。

毎月2千元を貯蓄、30万元まで12年半

中国国家統計局が先に公表したデータによると、今年上半期の中国本土の住民1人当たり可処分所得の中央値は1万9036元(約44万6千円)で、平均値の2万2981元を下回った。

香港経済日報は、夫婦の月収が合わせて約1万元でも、住宅ローン、子どもの教育費、日常生活費などを差し引けば、毎月2千元を貯めることも容易ではないと例示した。

経済分野の執筆者、張平氏は関連記事で、毎月2千元を貯蓄する場合、利息を考慮しなければ30万元を貯めるには12年半かかると計算した。その間に失業や病気などの不測の事態に遭えば、貯蓄が減る可能性もある。

張氏は、一部の家庭は株式、投資信託、資産運用商品を保有しており、家計の資産が全て銀行預金として表れるわけではないとも指摘した。

若者の雇用と所得に圧力

王氏は、中国本土では若者の就職難が深刻だとも述べた。2026年の大学卒業者は1270万人で、前年より48万人増加した。過年度の卒業者で職を探している若者や留学生を加えると、若者の求職者数は1500万人を超える。

料理宅配、配車サービス、地域サービス、個人による情報発信など、柔軟な働き方の仕事は増え続け、若者や職種を変える人の就業先となっている。ただ、こうした仕事に従事する人々は、総じて収入の不安定さや社会保障の不足などの問題に直面している。

一方、不動産、建設、従来型の住宅関連・建材、低付加価値の製造業、一般事務、顧客対応などの業種では人員が過剰となっている。人工知能(AI)技術の発展も、一部の初級職を代替している。

この話題はネット上でも議論を呼んだ。微博(ウェイボー)のある利用者は、一般家庭がお金を貯めるのは容易ではなく、貯蓄は懸命に働き、食費や生活費を切り詰め、少しずつ積み上げたものだと嘆いた。別の利用者は、人員削減や収入の不確実性に直面する中、「蓄えなければ、誰が私を養ってくれるのか」と述べた。

大紀元
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