にぎやかな町を歩いている時、ふと寂しさを感じたことがありますか? 家族と遠く離れ、友人もいない日々に、孤独や無力感を味わったことがありますか?生命にとって何が大切なのかを教えてくれる、素敵な物語をご紹介しましょう。
ある父親は長い間お金を節約し、ついに1台の新車を購入した。彼は車を宝物のように大事にし、毎日洗車を欠かさなかった。5歳の息子は、父親が車を大切にしていることを知り、いつも喜んで洗車を手伝った。そんな息子に、父親は満足していた。
ある日、車が雨で汚れてしまったが、父親は仕事でとても疲れていたため、後で洗車しようと考えた。すると、息子が父親の代わりに洗車すると言い出した。まだ小さい息子の責任感の強さに感心し、父親は思い切って息子に洗車を任せることにした。
息子は洗車用の雑巾が見つからなかったため、台所に行き母が料理の後に使う金属たわしを使うことにした。これで鍋をこすると、鍋がとてもきれいになったことを思い出したからだ。息子は、金属たわしを握って車をこすり始めた。
洗い上がった車が傷だらけなのを見て、息子は泣きながら、急いで父親のところ行った。「お父さん、ごめんなさい。早く車を見て」。父親があわてて駆けつけると、思わず叫んだ。「なんてことだ!」父親は怒りを抑えきれないまま部屋に入り、ひざまずいて神に祈った。「神様、私はどうすればよいのか教えて下さい。あの新車は買ってから1ヶ月も経っていないのに、あんな状態になってしまいました。息子にどんな罰を与えるべきでしょうか?」
父親が祈り終えたとたん、心の中である声が聞こえた。「世の人々は皆、表面を見るが、私は内心を見る」。父親はハッと目が覚めた気がした。玄関を出ると、怖くて動けずに涙を流している息子がいた。父親は息子を抱いて、「洗車してくれてありがとう。あの車より、君のほうがもっと大切なんだ。愛しているよ」と息子を慰めた。
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