英国のケント大学が行った新型コロナウイルスの発生時期に関する調査によると、ウイルスの感染例が中国の武漢で初めて確認されたよりも2カ月ほど前、ウイルスが既に中国国内で広がり始めていた可能性があることが分かった。写真は、コロナウイルスの迅速な把握のための新しい唾液検査方法で解析中の様子。2020年10月12日にパリで撮影。(2021年 ロイター/Benoit Tessier)

新型コロナ、19年10月に中国で既に発生の可能性=英大学調査

[上海 25日 ロイター] – 英国のケント大学が行った新型コロナウイルスの発生時期に関する調査によると、ウイルスの感染例が中国の武漢で初めて確認されたよりも2カ月ほど前、ウイルスが既に中国国内で広がり始めていた可能性があることが分かった。

ケント大学は、学術誌「PLOS Pathogens」に掲載された論文で、新型コロナウイルスが発生したのは2019年10月初旬から11月中旬にかけてと推定。発生時期としては11月17日の可能性が最も高く、20年1月にはおそらく全世界に広がっていたという。

中国当局が発表している初の感染確認は19年12月で、武漢の華南海鮮市場と関連があるとされている。

ただ、初期の症例の中には、華南海鮮市場との関連が特定できないものもあり、海鮮市場での発生より前に、既に他の場所でウイルスが広がり始めていた可能性もある。

また、フレッドハッチンソンがん研究センター(米シアトル)のジェシー・ブルーム氏は今週公表した論文で、中国で発生した新型コロナの初期感染例から削除された配列データを復元した。

それによると、華南海鮮市場から採取されたウイルスのサンプルは、それ以前に中国の他地域に広がっていたウイルス配列の変種であることが分かった。

このデータの削除は、中国がコロナウイルスの発生源を隠そうとしていることを示すさらなる証拠だとの指摘が出ている。

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