7月1日、米国は1日、過去1年間に児童兵の動員に関与したとされる国のリストにトルコを初めて追加した。写真はトルコが支援するシリアの反政府勢力。シリアのタル・アブヤド近郊で2019年10月撮影(2021年 ロイター/Khalil Ashawi)

米、児童兵動員の関与国にトルコ追加 関係さらに悪化も

[ワシントン 1日 ロイター] – 米国は1日、過去1年間に児童兵の動員に関与したとされる国のリストにトルコを初めて追加した。すでに悪化している米国と北大西洋条約機構(NATO)同盟国トルコの関係がさらに複雑化するとみられる。

米国務省は2021年版の「人身取引報告書」で、トルコがシリアのスルタン・ムラド師団に「具体的な支援」を提供していると断定した。同師団はトルコが長年にわたり支援してきたシリアの反体制派組織で、米国は子どもの兵士を徴集していると指摘する。

トルコからの反応は現時点で確認できていない。

国務省高官は電話会見で、リビアでの児童兵動員についても言及し、トルコと協力してこの問題に対処したいと述べた。

同高官は「特にトルコに関してはNATO加盟国でこのリストに入るのは初めてだ。トルコは尊敬される地域のリーダー、そしてNATO加盟国として、シリアやリビアでの児童兵士の徴集と利用という問題に取り組む機会を得た」と語った。

国務省の報告書によると、このリストに掲載された政府は、大統領による免除がない限り、特定の安全保障支援や軍事機器の商業ライセンスに制限が課せられる。

トルコに自動的に制限が適用されるかどうかは現時点では不明。この措置を受け、米軍を中心とするNATO軍のアフガニスタン撤退後にアフガンの首都カブールの空港を運営するというトルコの提案に関する米国との協議が頓挫する可能性も浮上した。

これに関して、国務省のプライス報道官はこの2つの事柄が結び付けられることはないだろうと指摘した。

アフガンに関して、トルコは「非常に建設的で、非常に有益なパートナーだ」とし、リスト掲載による影響については今後さらなる発表がある可能性を示唆。「周知の通り、大統領によって免除される可能性があるが、その場合は今後数カ月のことになるだろう」と述べた。

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