「中国は最大の汚染者」温室効果ガスの半分強、25都市が排出 ほぼ中国
世界の温室効果ガス(GHG)排出量の半分以上が、中国を中心とした約25の都市から排出されていると、中国の環境研究者が発表した報告書で明らかになった。米政府系放送ラジオ・フリー・アジア(RFA)が12日報じた。
7月12日に学術誌「フロンティアーズ(Frontiers)」に掲載されたこの研究では、世界53カ国の167都市の排出量を収集し、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス排出量の約52%が、25の都市から排出されていると判明した。モスクワ、イスタンブール、バンコク、東京の4都市を除けば、その他の都市は上海、蘇州、邯鄲などいずれも中国の都市だ。
この調査によると、一人当たりの温室効果ガス排出量は、先進国の都市が、発展途上国の主要都市より上回っている。また、中国を中心としたアジア都市の排出量が、全体の大部分を占めている。銀川、ウルムチ、大連などの中国の都市は、急速な都市化、工業化、石炭エネルギーへの高い依存度により、一人当たりの排出量が先進国に近い水準に達しているという。
報告書では、「各都市は、世界の気候変動緩和目標に沿い、より野心的で追跡可能な気候目標と、より効果的な対策を打ち出す必要がある」と提言している。
報告書の執筆者の一人、中山大学環境科学・工学学部の陳紹晴・副教授はロイター通信に対し、「この研究は、CO2排出量の削減における大都市の重要な役割を浮き彫りにするものである」と述べた。
中国の排出量、先進国の合計を上回る
米調査会社ロジウムグループ(Rhodium Group)が5月6日に発表した報告書によると、2019年の中国の温室効果ガス排出量は、OECD諸国(欧州諸国、米国、日本などを含む34カ国の先進諸国)の合計を上回ったという。
それによると、2019年の世界の温室効果ガス排出量のうち、中国の占める割合は27%で、第2位の米国の11%を大きく上回る。次いで、インドが6.6%、EUが6.4%となっている。
中国の習近平総書記は今年4月、ジョー・バイデン米大統領が主催した気候変動サミットで、2025年までに石炭消費量の増加を厳しく制限し、2030年のピークから徐々に減らし、2060年までに温室効果ガスの排出量をほぼゼロにすることを約束した。
米共和党のリック・スコット上院議員(フロリダ州)は5月7日、「共産中国は世界最悪の汚染者であり、そのやり方を変えるとは思えない。気候変動に対処するには真の解決策が必要だが、共産中国のような巨大汚染者との効力のない協定が問題解決に役立つとは思えない」とツイートした。
(翻訳編集・王君宜)