英国立統計局(ONS)が21日発表した2021/22年度上期(4-9月)の公的部門純借り入れ(国有銀行を除く)は1081億ポンドと、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた前年同期からほぼ半減した。写真は英中央銀行、2009年1月撮影(2021年 ロイター/Rob Bodman)

英公的部門借り入れ、上期は前年比半減 依然コロナ流行前の3倍

[ロンドン 21日 ロイター] – 英国立統計局(ONS)が21日発表した2021/22年度上期(4-9月)の公的部門純借り入れ(国有銀行を除く)は1081億ポンドと、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた前年同期からほぼ半減した。

前年同期から1012億ポンド減少した。ただ、新型コロナ流行前の水準の約3倍となっている。

9月の公的部門純借り入れ(国有銀行を除く)は217億7800万ポンド(301億ドル)。前月分は168億2400万ポンドに下方修正された。ロイターがまとめた市場予想は226億ポンドだった。

昨年度の財政赤字は、戦後最大の国内総生産(GDP)比15%となったが、今年度は緊急経済対策の終了と増税で、財政赤字はほぼ半減するとみられている。

公的部門純債務残高は2兆2190億ポンドで、GDP比95.5%。

スナク英財務相は27日に財政予測を示す。2021/22年度の借り入れは、景気回復を背景に3月時点の予測を約400億ポンド(550億ドル)下回る見通し。

ただ、昨年は新型コロナウイルス対策で歳出が急増したため、同相は多くの省庁の予算を圧縮するとみられている。

同相は統計発表後、「来週の財政見直しでは、公的サービス、企業、雇用を引き続き支えながら、どのように将来にふさわしい財政を維持していくかを説明する」と述べた。

一部のエコノミストは、同相が歳出の抑制を重視すれば、英経済のリスク要因になると指摘。今年上期に急ピッチで回復した英経済は、ここ数カ月で大幅に鈍化しており、新型コロナの感染も再び急増している。

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