米ロッキード・マーチン社が米軍をはじめ世界各国に生産・販売しているF-35は、イスラエル版を除いてすべて同じようなものです。イスラエル版のF-35は、実際の作戦要求に合わせて変更することができるからです。
ウェブサイト「ナショナル・インタレスト」によると、アメリカは1960年代後半からイスラエルに最重要戦闘機を供給しています。 F-4E、F-15A、F-16A、F-15C、F-15I、そして今回のF-35Iと、イスラエル空軍は、アメリカが販売していないF-22を除いて、アメリカ空軍と同等の戦闘機を保有しています。
イスラエルは、2008年に初めてF-35の購入を米国に申請しました。 他の国とは異なり、イスラエルはロッキード・マーチン社にF-35Iにイスラエルの技術を幅広く組み込むことを要求し、許可を得ました。
そのキーテクノロジーのひとつが、イスラエルが開発したC4I(Command, Control, Communications, Computer and Intelligence)システムです。 このスタンドアローンのシステムは、F-35Iのコンピュータシステムと対話することなく他の航空機からデータを取得し、さらに局所的なデータリンクを介して他の軍用機器、特に周辺の他の航空機にデータを渡すことができます。
このC4I技術は、ロケット攻撃の脅威にさらされているイスラエルにとって特に重要なものです。 ヒズボラなどの敵がイスラエルに向けて大量のロケットを発射した場合、同国は速やかに発射位置の情報を入手し、それを処理して空軍が攻撃目標の優先順位リストを素早く作成しなければなりません。
F-35Iは、イスラエル独自のミサイルを搭載することができます。SPICE1000精密誘導爆弾は、Smart Precise Impact Cost Effectiveの略で、慣性誘導、衛星測位、光電子センサーなどの高度な誘導技術と制御翼を使用しており、これにより 誘導不可能な通常爆弾を、長距離を滑空できる誘導爆弾に変えました。
イスラエルは2016年12月からF-35I戦闘機を取得しています。 2018年5月、同国の空軍はF-35を実用化したことを発表し、世界で初めてF-35戦闘機を作戦に投入した軍だと主張しています。
(翻訳 源正悟)
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