中国の軍事冒険主義に警鐘、台湾総統が新年談話
[台北 1日 ロイター] – 台湾の蔡英文総統は1日、中国に対し軍事衝突は解決策ではないとの新年談話を発したが、中国はこれに対し台湾が一線を越えれば「深刻な破滅」につながると警告した。
蔡総統は「北京当局に対し、状況を見誤らず軍事冒険主義の内部拡大を防ぐよう求めたい」と述べた。
中国の習近平国家主席は31の新年に向けた演説で、「母国」の完全な統一は台湾海峡をはさんだ双方の人々が共有する強い希望だと述べていた。
蔡総統の演説に対し、中国国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、平和的統一に向けた努力を表明した上で、「台湾独立派が挑発と強要を続け、あるいはレッドラインを越えれば、断固たる措置を講じる」とし、独立の追求は台湾に「深刻な破滅」をもたらすだけだと述べた。
蔡総統は「意見の相違解決に軍事は決して選択肢にならない。軍事衝突は経済的安定に影響を与える」とも語った。
また、台湾は香港の状況を引き続き注視していくとし、選挙への干渉や民主派メディア幹部の逮捕を挙げて「香港の人権と言論の自由を人々は一段と憂慮している」と指摘。
「我々は主権を堅持し、自由と民主主義の価値を支持するとともに、領域の主権と国家安全を守り、インド太平洋地域の平和と安定を維持する」と述べた。
関連記事

「生きづらさ」に喘ぐ中国の子供たち。児童病院の「登校拒否外来」が大人気のうらには。

「車を木に登らせた」中国の自動車教習所。生徒誘致のためならフェイクも辞さず道徳なき生存競争の末路とは。

中国の成都で反共産党の垂れ幕が登場。四通橋事件以降、各地で民主を訴える市民が続出。中共政権への怒りが広がり続けている。

中国で「また」ガラスドア爆発。住民は数十針縫う重傷。

米中貿易戦争の激化とともに、中国当局が言論統制を強化。ネット上では「関税」「104」さえ禁句に。