壁画とは、建築物や洞窟の壁・天井などに描かれた絵画で、最も長い歴史を持つ絵画形式の一つでもあります。
壁画は以下に分類することができます。
1、洞窟壁画:最も早い時期の壁画は、フランスやスペインの山の洞窟の中から発見されており、基本的に有史以前のものを指します。侵食されやすいので、定期的な補修が必要です。
2、室内の美化や装飾のためのさまざまな壁画(壁面装飾)。
3、室外の壁に描かれた広告、装飾など。
4、モザイク画:壁画の一種で、石、陶磁器、有色無色のガラス、貝殻、木などの材料が良く使われます。
上記の壁画の種類はフレスコとは別物です。
5、フレスコ画:一般的に、ブオン・フレスコ(湿式法)を指し、壁に漆喰を塗り、その漆喰がまだ乾いていない状態のときに、水または石灰水で溶いた顔料で描くという技法です。耐久性が良く、永久に残すことができますが、漆喰とともに乾くため、やり直しが効かず、高度な技術が要求されます。
6、フレスコ・セッコ(乾式法):レオナルド・ダ・ヴィンチは「最後の晩餐」を創作している時から、ブオン・フレスコの顔料の調合と技術の改良を考えていました。しかし、顔料が剥がれ落ちるという欠点がどうしても避けられなかったため、結局、昔ながらのやり方で描くしかなかったのです。
7、メッゾ・フレスコ(半湿式法):ブオン・フレスコの製作可能時間を延ばすために考え出された技法です。
フレスコ画創作時、壁の構造と、建物の全体のデザインなどを考慮しなければなりません。様々な種類の技法と創作の流れ、そして、顔料の調合の違いにより、例え全く同じ絵を描いても、異なった雰囲気と仕上がりになります。
壁画は他の絵画のように額装したり、コレクションにしたりすることができず、また、時間の経過とともに傷みやすいため、補修も重要な学問分野の一つです。
(作者・謝春華/翻訳編集・天野秀)
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