(前稿より続く)では、どのような食品からタンパク質を摂れば良いでしょうか。
筋肉を増やすには、まず総タンパク量に注目しましょう。それを計算する天然食品のタンパク質源は、大きく動物性と植物性に分けられます。
タンパク質はアミノ酸からなっています。動物性タンパク質は、全ての必須アミノ酸を含む完全なタンパク質です。そのため、動物性タンパク質は完全な栄養素を提供することができる上、人体への吸収や利用率も良く、優良なタンパク質と呼ばれます。
「筋肉量を増やし、体脂肪を減らす」という目的に特化すれば、その供給源は鶏卵と脂肪の少ない赤身肉(牛肉・豚肉)を主とします。これに加えられるものとして、魚、鶏肉、牛すじなどの脂肪量の少ない肉も挙げられます。
植物性タンパクは、特定の必須アミノ酸が欠乏しているため、人体への吸収率は高くありません。
タンパク質を多く含む植物性食品には、豆干(高野豆腐)、エンドウ豆、ひよこ豆、黒豆などがあります。
王思恒医師によると、これは必ずしも動物性タンパク質を食べた方が良いという意味ではなく、「毎日のタンパク源の一部に肉類が含まれていれば十分」とのことです。
台湾では、人口の約10%が素食者(菜食者)であると言います。
そのなかには、乳製品は食べる人、無精卵なら食べられる人、完全菜食主義の人など、菜食の程度にいくらかの差があります。いずれにしても菜食者の場合は、前回の記事「多くの人がタンパク質不足です」筋肉を増やし、体脂肪を減らす方法(1)」で述べた「手のひら2つ」の目安は変わります。
最も重要なことは、肉でも豆腐でも良いので、「1日のタンパク質摂取量は、体重1キロ当たり1.6グラムで十分」ということです。
ただし、植物性の場合は、「手のひら2つ」以上の分量を食べないと、必要なタンパク質を十分に摂取できません。例えば、手のひらサイズの豆腐には、同じ大きさの肉の1/2以下のタンパク質しか含まれていないのです。
王医師は、完全菜食主義者は毎回の食事で「手のひら3つから4つの植物性タンパク食品を食べなければならない」と提言しています。この要求量はかなり多いので、台湾の完全菜食主義者の多くは「タンパク質の摂取不足」が問題になっています。
あなたが完全菜食主義者でないならば、動物性タンパク質を少量食べれば、完全なアミノ酸を補充することができます。そのほかの食物は、植物性タンパクで補うといいでしょう。
タンパク質は、筋肉量を増やし、体脂肪を減らす上で最も重要な栄養素ですが、やはりバランスの良い食事を大前提としてください。
雑穀や野菜、果物、卵、豆、魚なども、まんべんなく適切に摂取します。
鶏の胸肉だけを食べたり、赤身肉ばかり大量に食べたり、高濃度のプロテインパウダーを多めに飲むなど、極端な食事はお薦めできません。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)
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