漢方でも推奨!「ドライフルーツを煮て食べる療法」

台湾は、新鮮な果物が豊富な「フルーツ王国」です。
もちろん、それらを材料としたドライフルーツもたくさんあり、日常のなかでよく食べられています。

 

台湾はドライフルーツも有名です

さて、そのドライフルーツ(乾果)ですが、加工段階で砂糖や添加物が大量に加えられているものは別として、自然のまま素材を乾燥して作られた良質の乾果は、栄養分の保存状態も良く、健康効果も高い「優れた食品」であると言えます。

今回ご紹介するのは、そうした良質のドライフルーツ(乾果)を鍋で煮ることにより、食べやすく、消化吸収の良い「漢方のメニュー」になるという実例です。

お好きなドライフルーツを、水から鍋で煮てみましょう。
その煮汁と果肉を一緒に服用することで、「消化吸収」「水分補給」「体を内側から温める」の3つが一度にできます。これは優れた漢方の飲み物で、胃を整え、肌を保護し、脂肪肝を改善することができます。

 

柳丁乾果(オレンジの輪切り干し)

「柳丁」は、台湾でよく見られるオレンジの1種です。
これを輪切りにしてドライフルーツにしたものが、台湾では袋入りでよく売られています。日本でも、ちょっと大きい乾物店なら輸入物のドライフルーツが売られていますので、探してみてください。

柳丁乾果は、乾いていても香りが爽やかで、オレンジの皮ごと口に入れるとほろ苦い味がします。ゆっくり時間をかけて噛み、味わってみてください。

さて、普段から胃の調子が悪い人、または精神的な疲れから肌荒れしやすい人、さらにはダイエットをしたい人にお薦めなのが、柳丁乾果を煮たスープです。

作り方は、鍋に10gの柳丁乾果を入れて、700ccの水を注いで火にかけます。水が沸騰したら弱火にして、10分から15分煮れば出来上がりです。砂糖や調味料は入れません。魔法瓶に材料を入れて、熱湯500ccを注いでもできます。

漢方医学における効果は、食欲を増進し、胃気(胃の機能を司るエネルギー)を調整することです。げっぷ、悪心、嘔吐、食欲不振、胸部圧迫感の際にも用いられます。

栄養も豊富で、ビタミンCや各種ミネラル、食物繊維を多く含むほか、微小血管を強化して血流を良くするヘスペリジンや、肥満や脂肪肝に効くイノシトール(通称ビタミンB8)が多く含まれているのが特徴です。また、その芳香成分にはリモネンが含まれており、神経疲労の改善に効果的です。

 

草苺乾果(イチゴのドライフルーツ)

イチゴのドライフルーツを食べることは、肌を若々しく保ち、アンチエイジングに役立つほか、肝臓機能を高めるのにも有効です。イチゴは免疫力を高めるとともに、生活習慣病対策にも大いに役立つ食材です。

そのイチゴのドライフルーツ(大粒の場合は、薄切りにします) 10~15gを鍋に入れ、700ccの水を入れて火にかけます。水が沸騰したら弱火にして、10分から15分煮れば出来上がりです。魔法瓶に材料を入れて、熱湯500ccを注いでもできます。

漢方医学におけるイチゴの効能は、血液を養い、体液を生成するとともに、解熱の作用もあります。そのため、気持ちが高ぶっていたり、精神的な要因で血圧が高い場合、またはお腹が張ったり、便秘の時に服用すると良い効果が得られます。

イチゴには肺を潤す効果もありますので、呼吸器系を整え、肌荒れを改善することにも役立ちます。さらに脾臓と胃の状態を調整し、下痢を緩和することもできます。

栄養面では、ビタミンB1、B2、C、葉酸、βカロチン、各種ミネラルのほか、抗酸化作用のあるポリフェノールも多く含まれています。

これらは、眼精疲労を緩和し、肝機能を高め、動脈硬化や皮膚の老化を予防します。葉酸は、妊娠中や授乳期の女性にとっては必須の栄養素です。

(翻訳編集・鳥飼聡)