ちょっと気になる体臭のお話し「重病が隠れているかも?」(1)

自分の体に「あれ?」と思うような、おかしな体臭を感じたことはありませんか。
もしもそのような異常な体臭があったら、肝臓腎臓の疾患、さらには初期がんの警告であるかもしれないので、十分注意しなければなりません。

病気ではない「汗臭さ」

体臭といえば、まず「汗のにおい」を思い浮かべる人が多いでしょう。

通常ならば、汗そのものは無臭なのですが、汗をかいたあと清潔にしなかった場合に、皮膚の表面で細菌が繁殖して臭いを発します。この「汗臭さ」は健康上の問題ではないので、きちんと入浴して、衣服を取り替えれば解決します。

そのほか、汗が原因で臭いが出る人は、普段食べている食事と関係があるかもしれません。食習慣は民族固有の文化でもあるので、それを「原因」と呼ぶ必要はありませんが、他の人が気にする場合には配慮したほうがいいかもしれません。

ネギやニンニクなどの香辛料や、コリアンダーパクチー)のような独特の香りをもつ食材を好む人もいます。これらは、口臭のもとになるだけでなく、皮膚の汗腺にも影響して、独特のにおいのする汗を出すことがあります。

警戒すべきは「感染症による体臭」

しかし一般に、普段とは異なる体臭が顕著になってきた場合、皮膚の汗腺または腋下のアポクリン腺の閉塞が起こっているか、または体のどこかで感染症が起きていることも考えられるのです。

さらには、慢性の代謝性疾患、先天性の代謝異常、あるいは特定のがんに関連している場合もあります。

実際に、以下に挙げる「7種の体臭」を感知したときは、十分注意して経過観察するとともに、場合によっては速やかに医療機関で検査するようにしてください。

1、アンモニア

アンモニアのような刺激的な臭い、あるいは尿のような臭いがする場合は、肝臓または腎臓の機能が低下しているシグナルかもしれません。

肝臓や腎臓の代謝機能に疾患がある人は、体内の尿素やアンモニアの排出が順調でないため、汗腺の多いところにそのような臭いが生じます。

アンモニアは、摂取したタンパク質を消化するときに、細胞や腸内細菌が作る物質です。
体の正常な機能は、アンモニアを老廃物として肝臓で処理します。またアンモニアの一部は、尿素を形成して腎臓に入り、尿として排出されます。

尿素が順調に排出されないと、体内にアンモニアが残留します。肝臓や腎臓に何らかの問題が生じて機能が低下している人に、このような問題が起こることがあります。代謝されないアンモニアは息や汗から排出され、体臭や口臭の原因となります。

2、口からの腐敗臭

食物が腐ったようなひどい口臭が出るのは、多くの場合、歯周病または副鼻腔炎(蓄膿症)が原因です。これらの病気には、ブドウ球菌やレンサ球菌などによる感染症が関連しています。

イランの耳鼻咽喉科の専門誌に掲載された記事によると、「口臭の80%〜90%は歯周病。残り10%は副鼻腔炎など他の部位のトラブルが原因」と言います。

口からの悪臭は、細菌が口腔内のタンパク質を分解して発生する揮発性硫黄化合物に由来します。その主な原因は慢性歯周病、つまり重度の歯槽膿漏です。この病気でぐらぐらになった歯とその周囲の組織は、細菌や食物残渣などの老廃物がびっしりついています。

また、副鼻腔が炎症を起こして腫れると、鼻腔に大量の粘液がたまります。その粘液の臭気が息を吐くことで外に出され、口臭の原因にもなります。
(次稿に続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)

李路明
柯弦