日銀の黒田東彦総裁は11日、支店長会議で挨拶し、当面は新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇なく追加緩和を実施すると改めて強調した。写真は2019年12月、東京の日銀本店で撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

当面は新型コロナの影響注視、必要あれば躊躇なく追加緩和=黒田日銀総裁

[東京 11日 ロイター] – 日銀の黒田東彦総裁は11日、支店長会議で挨拶し、当面は新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇なく追加緩和を実施すると改めて強調した。経済は新型コロナの影響や資源価格上昇で一部に弱めの動きもみられるが「基調としては持ち直している」ものの、感染症、ウクライナ情勢や資源価格の動向、海外経済といったリスク要因の中で「不確実性はきわめて高い」と警戒感を示した。

外為市場での急速な円安を受け、黒田総裁は「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響は十分注視する必要がある」と改めて述べた。

黒田総裁は経済の先行きについて、資源高で下押し圧力を受けるものの「感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて回復していく」と述べた。

消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比は当面、エネルギーや食料品の価格上昇の影響で2%程度で推移するとみられるが、その後はエネルギー価格の押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくとした。生鮮食品やエネルギーを除く消費者物価指数(コアコアCPI)の前年比については「マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率・賃金上昇率も高まっていくもとで、原材料コスト上昇の価格転嫁の動きもあって、プラス幅を緩やかに拡大していく」との見通しを示した。

黒田総裁は金融システムは「全体として安定性を維持している」と評価。金融環境は「企業の資金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある」と述べ、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努める方針を示した。

政策金利は「現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移することを想定している」とした。

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