良質な睡眠は、体を丈夫にするだけでなく、心臓を守ることにもつながります。漢方では、春に健康を育み、夏に成長させ、秋に収穫し、冬に隠れるといいます。夏はどう成長させるのでしょうか?一番大事なのは、よく眠り、心臓を傷めないことです。
春は肝臓、夏は心臓、秋は肺、冬は腎臓を痛めないことが大切です。どうすれば心を痛めないのでしょうか?『黄帝内経』には「早寝早起き」という言葉がありますが、これは夜早く寝て、朝早く起きるという意味です。
夏の快眠のための4つのステップ
1.午後に昼寝をする
正午過ぎは心臓の経絡が盛んになる時間帯で、仕事も一段落して、多くの社員が休憩時間です。その時間は少し眠りましょう。
昼寝は、横になって脳に血液を流し、酸素と栄養を脳に運ぶことが大切なのです。これは、疲れを取り、記憶力を高め、皮膚や内分泌系を改善します。
2.冷たい水を飲まない
私も夏の暑い日に氷を食べると、とても幸せな気分になれます。しかし、氷を食べるのは本当に必要最低限でいいのです。
冷たいものは脳を刺激し、神経をピリピリさせるので、睡眠に影響を与えることがあります。それだけでなく、氷を食べると体が冷えて、腸やのどが寒く感じます。寒さに対抗するために、体は熱を発します。その最も簡単な方法こそが、炎症を起こすことです。そのため、冷たいものばかり食べている人は、炎症が起きやすいといえます。
3.寝る前に温かい黒糖ミルクを飲む
暑さでイライラしていると、寝返りを打つこともあるでしょう。通常、寝る前に食べることはお勧めできませんが、イライラして眠れないときは、血液の強壮作用がある温かい黒糖ミルク、またはハニーウォーターを飲むとよいでしょう。
4.心を穏やかに保つ
心が穏やかであれば、安眠もしやすくなります。
昔、漢方医の試験を控えていたとき、自分を落ち着かせてぐっすり眠れるようにするために使っていた方法です。
その方法は、朝5、6時くらいから読書をするというものでした。10時半頃になると、静かに座って目を閉じ、その日読んだ本をもう一度読み返すような感じで振り返り、気持ちを落ち着かせるのです。それが終わり、疲れている状態でベッドに横になると、あっという間に寝てしまいました。
30年以上経った今でも、当時暗記したことはほとんど覚えています。この方法は本の暗記にも睡眠にも有効です。
人はある状況になると、とても怒りっぽくなることがありますが、これはよくありません。
以前、患者さんに「氷水は飲まないでください」とアドバイスすると、患者は揃って「だけど、氷水を飲むのが好きなのですがどうしたらいいですか?」と言うのです。
これを聞いたとき、心の中で「せっかく病気を治したのに、まだ氷水を飲みたいって言うのだからいつまでたっても病気が良くならない」と思い、私は怒りを感じました。
その後、自分を落ち着かせるために、「まあ、いいでしょう! 氷水を飲むのが止められないのなら、今度風邪をひいたときにまた会いに来てください」とジョークで返しました。
眠りを誘う2つのスープ
次の2つのスープは、心を穏やかにしてくれます。大人も子供も、夏でもよく眠れ、記憶力もアップします。
・百合と卵のスープ
材料:百合、卵、ハム、鶏がらスープ、刻みねぎ、塩、ワイン少々。
百合と卵のスープは、心を澄まし、心を落ち着かせ、陰を養い、血を養い、眠りを誘うので、興奮しやすい人、不眠症、動悸、神経衰弱に適しています。
元気が余っており、夜寝たくないというお子さんには、百合と卵の花のスープを食べさせてあげるのもいいです。また、夜中に夢を見がちな方にもお薦めです。
・菊麦養生茶
動悸やイライラ、不眠などに悩まされている方には、菊麦養生茶がおすすめです。
材料:菊花、麦門冬湯(バクモンドウトウ)、炒った麦芽。
沸騰したお湯で淹れます。
このお茶は、菊花がさわやかで、麦門冬湯は甘く、炒った麦芽が少し柔らかくて甘いです。良い風味を持っていて、毎日健康飲料として飲めます。
菊花は心を鎮め血を冷やし、麦門冬湯は血を冷やし肺を潤し、炒った麦芽は消化を助けます。一定期間飲み続けると、心熱が取り除かれ、不眠問題がかなり改善されます。
(翻訳・香原咲)
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