(前稿よりつづく)
次もワクチン接種の義務化か?
患者数の急増を受け、米国政府もサル痘のワクチン戦略の準備に着手しています。この2年間で、新型コロナウイルスの流行による大規模なワクチン強制接種戦略が世界で初めて実施されました。そのため、「サル痘も強制接種になる可能性があるのではないか」と多くの人が心配しています。
現在、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成するかについての世界保健機関(WHO)の判断に依存し、それが全世界の防疫戦略となっています。
5月の世界保健機関総会を受け、WHOは、緊急事態の定義を見直したことで、より介入してきています。
これは注意すべきことです。もし、WHOがそれほど深刻でないものを緊急事態と宣言できる立場にあり、各国の対応が前向きであれば、政府がサル痘やそれに続くウイルスのワクチン接種を義務付ける可能性は十分にあります。
実際に現在、多くの国でサル痘ワクチンや抗ウイルス剤が大量に購入されています。
米国は現在、250万人分の「Jynneos」ワクチンを発注しており、今後数カ月で160万人分を社会全体に配布したいと考えています。「Jynneos」は天然痘ウイルス用の第3世代ワクチンで、サル痘ウイルス用に開発されたものではありませんが、交差防御機能を備えています。
自治体によっては、「Jynneos」ワクチンの在庫や購入がなく、第二世代天然痘ワクチン、「ACAM2000」を使用する可能性もあります。しかし、それには比較的重い副作用があり、特に妊婦への投与が禁止されています。
「Jynneos」ワクチンが、サル痘にどの程度効果があるかは、臨床データがないため分かっていません。
CDCのウェブサイトによると、現在、サル痘ワクチンの接種が推奨されているのは、最近サル痘に感染した人と密接な接触を持った人、あるいはナイトクラブの会場によく行くなどの感染リスクが高い人です。
サル痘は、皮膚の破れや性的接触で感染するほか、呼吸器官や目・鼻・口などから体内に侵入することもあります。また、サル痘患者の世話をする医療従事者や研究所の職員もウイルスにさらされる危険性が高いです。
CDCは、効果を発揮するために、感染者と密接な接触があった場合、4日以内に「Jynneos」ワクチンを接種することを推奨しています。
接触後4〜14日以内にワクチンを接種しても、完全に予防できるわけではなく、発症を抑えることができる程度だといいます。全体の免疫効果を強力に活性化させるためには、4週間間隔で2回のワクチン投与が必要とされています。
なお、「Jynneos」は18歳以上のみを対象としてFDAに承認されたワクチンであり、18歳未満の接種はできません。
伝染病から身を守るには、ワクチンしかないのか?
このようなウイルス流行では、ワクチンの有効性が過度に強調され、人体本来の免疫機能の重要性が見落とされています。
実は人間の体は、外部のウイルスや細菌に対して多面的な防御機構を備えています。
身体には皮膚の防御、粘膜、自然免疫、さまざまな細胞組織の抵抗力があります。さらに、人体は遺伝子面においても、ウイルスに抵抗し増殖力を破壊することができます。
これに対し、ワクチンはただ単純に人工的に人体の免疫システムに介入する手段で、ウイルスのごく一部を使って免疫システムを刺激し、記憶させるものであります。短期的にはウイルスに対する抗体ができるかもしれませんが、万全の防御にはならず、かえって体内の免疫システムのバランスを崩してしまう可能性があります。
しかし現在の医学界では、感染症対策の第一選択肢はワクチンであるという暗黙のルールがあるようです。ワクチンの効果や副作用に対する疑念は、思いとどまらせ、黙らせるなどします。こうした現象は理不尽であり、オープンで透明な議論の原則に基づき、もっと客観的にさまざまな声を見るべきだと思います。
(翻訳者:春野瑠璃)
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