このところヨーロッパを猛烈な熱波が襲い、7月18日にはフランス西部で42℃、19日にはイギリスの高緯度地方で初めて40℃を記録し、空港では滑走路面の一部が溶けて運航停止に追い込まれる事態にまで発展しました。このような状況では高温が歯にもダメージを与えますが、そのことを知らない人が多いので、歯に気を配ることが大切です。
英紙「デイリー・ミラー」によると、夏に気温が高くなると、肌や目だけでなく、歯も保護する必要があるそうです。
肌を守るために日焼け止めを使い、目を守るためにサングラスをかけるのは当然ですが、気温の上昇が歯に与えるダメージとその対策についても知っておく必要があります。
インプレス歯科クリニックの矯正歯科医長であるカレド・カセム氏によると、気温の変化は歯のエナメル質を破壊する原因になるといいます。
カレド氏によると、夏に冷たい飲み物やアイスクリームを食べると、歯が敏感になりやすいそうです。これは、季節による気温の変化で、歯のエナメル質が膨張・収縮する速度が異なるため、象牙(エナメル質の下にあるもの)が露出し、歯が敏感になるためです。
天候はどうしようもないですが、歯の知覚過敏や傷害を避けるために、冷たい飲み物ではなく常温の飲み物を飲むようにしたり、知覚過敏対策用の歯磨き粉に変えるなど、できることはいくつもあるといいます。
また、唾液は口の中の細菌や食べかすを取り除くのに重要ですが、脱水症状になると唾液が出なくなり、虫歯のリスクが高まりますので、水をたくさん飲むようにしましょう。
カレド氏は、脱水症状と唾液の分泌不足を避けるために、1日に最低2リットルの水を飲むことを勧めています。また、歯を傷めないために氷を噛まないようにとアドバイスしています。
暑い時、暑さをしのぐために氷に頼るのはよくあることですが、氷を噛むのは悪い習慣だといいます。氷は水を凍らせただけなのに、氷のような硬いものを噛むと、歯が割れたり、傷ついたり、ぐらついたりするなどのトラブルが発生することがあります。
何を使って体を冷やすにしても、歯は一生付き合っていくものだということを忘れず、五分間のクールダウンのために、歯医者に緊急で行くようなリスクを負わないようにすべきだといいます。
(翻訳・里見雨禾)
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