鐘の音は重要な情報伝達手段だった。写真はスロベニアの世界遺産 (Photo by JURE MAKOVEC/AFP via Getty Images)

スマホがなくても大丈夫? 昔の人々の多彩な情報伝達手段(1)

今日のスマートフォンやテレビがなかった古代では、人々はどのように情報を伝えていたのでしょうか。今日まで使われ続けているものもあれば、その名残だけが残されているものもあります。ここでは人類文明の初期までさかのぼり、情報伝達に先人が費やした智慧を紐解いていきます。

今日では楽器として使われる太鼓ですが、古代では重要な情報伝達ツールでした。アフリカの原住民の部族の多くは、太鼓の音を複雑に組み合わせることで情報を伝えていました。また、ミャオ族やシャン族といった中国の少数民族では、今日でも太鼓の音を使った情報伝達の方法が残っています。

いっぽう、キリスト教が浸透した西洋世界では、鐘の音が大きな役割を担っていました。高層ビルが立ち並ぶ前のヨーロッパでは、鐘が設置されている教会の塔が町で最も高い建築物でした。教会の鐘の美しい音色を通して、人々に礼拝の時間を知らせ、外敵に襲われた際には、警鐘としての役割を果たしました。

▶ 続きを読む
関連記事
二百年同じ井戸水で豆腐を作る京都の職人や、一生ものの伝統工芸品。効率よりも誠実さを選び、自らの心を映す「ものづくり」の姿勢から、世界中を惹きつけ信頼される日本固有の「信」の精神を紐解きます
「レディ」という言葉は、もう古いのでしょうか。礼儀、慎み、敬意を手がかりに、現代における淑女らしさの意味を考えます。
六月末に行われる夏越の祓は、茅の輪くぐりや人形を通じて半年の穢れを祓い、心身を整える神事です。古人が込めた反省、清め、平安への祈りを紹介します。
「いい塩梅」の語源は、文字どおり塩と梅。梅を漬けると生まれる梅酢と塩の加減から生まれた言葉は、やがて人間関係や国を治める知恵を表す言葉へと広がっていきました。
湿気と暑さが重なる小満の頃は、胃腸を守る養生が大切。新生姜や梅など、初夏の食の知恵を紹介します。