台湾で26日に投開票された統一地方選で、蔡英文総統(写真)が率いる与党、民主進歩党(民進党)が大敗したことが、2024年1月に予定される次期総統選にどう影響するのか注目が集まっている。台北で26日撮影(2022年 ロイター/Ann Wang)

台湾与党の地方選大敗、次期総統選への影響に注目

[台北 27日 ロイター] – 台湾で26日に投開票された統一地方選で、蔡英文総統が率いる与党、民主進歩党(民進党)が大敗したことが、2024年1月に予定される次期総統選にどう影響するのか注目が集まっている。

統一地方選は、最大野党の国民党が21の県・市長ポストのうち13を確保し、特に最も重要視される台北市長に蔣介石のひ孫の蔣万安氏を送り込んだ。

責任を取って党主席(党首)を辞任すると述べた蔡英文氏はこの選挙戦で、中国の強圧的な態度を断固拒絶するメッセージを送ろうと呼びかけてきたが有権者には届かなかった。地方選は本来、外交よりも治安や環境汚染といった身近な問題に関心が向きがちという面もある。

民進党幹部の林錫耀氏は記者団に、党の選挙戦略として何がいけなかったのか点検すると表明した。ただ、中国問題を争点に掲げたことへの直接的なコメントはしていない。

台湾の新聞で民進党を支持する自由時報は27日の論説記事で、地方選において「抽象的な政治的概念」を使って有権者の心を動かすのは難しかったと総括。24年の総裁候補選びで民進党は分裂の恐れに直面していると警告した。

現時点では頼清徳副総統が民進党の次期総統候補として最有力視されている。頼氏は26日にフェイスブックで地方選の大敗を謝罪したものの、今後については何も明らかにしていない。

もっとも民進党は2018年の地方選でも敗北を喫しながら、20年の総統・議会選挙で大勝した過去がある。当時は中国政府が香港の民主派への弾圧を強める中で、国民党を中国寄りとイメージさせる作戦が成功を収めた。

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