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ゲルソンクリニック(Gerson Clinic)によると、ゲルソン療法はがんを全身疾患として治療する、はじめての療法だそうです。
ゲルソン博士は、がんの病気は全身に蓄積された毒素が原因であり、体に備わっている免疫力を高めることで、病気を撃退すると同時に、有害な毒素を排泄できると考えています。
この療法は少なくとも2年間継続する必要があり、体の代謝をサポートする栄養補助食品の使用と、新鮮なフルーツや野菜をたっぷり摂取する有機植物ベースの食事とで、食事に取り入れた栄養素による免疫系の活性化と治癒・健康を促進します。油、脂肪、肉、魚、カフェインを含みません。
また、この療法では、塩分、糖分、加工食品は禁止されています。
サラ・マブローク(Sarah Mabrouk)監督の最近のドキュメンタリー映画『The Food Cure』は、ゲルソン療法でがんを治療することを決めた6人の患者を追ったものです。
患者の年齢は6カ月~67歳で、乳がん、前立腺がん、非ホジキンリンパ腫など、さまざまな種類のがんを患っています。
2年以上にわたるこのドキュメンタリーは、患者の自己管理による治療の経過を追跡し、半年ごとに定期的に報告を行っています。
この映画で、医師は患者を継続的にモニターして、腫瘍の成長を観察し、進展を把握しました。
2年間の自力診療では、経済的な患者への負担も大きいです。しかし、がんの予後が改善されたことで、彼らのモチベーションは高まっています。
6人のうち4人が食事療法を厳守したことで完治し、努力と忍耐が成功の鍵であることが証明されました。
ゲルソンクリニックによると、新鮮なフルーツや野菜ジュースを飲むことが、治療の主要な要素の一つであるといいます。
ビタミンCが豊富なオレンジジュースや、レタス、チコリ、レッドケール、ビーツ、フダンソウ、ピーマン、クレソン、青リンゴなどが入ったさまざまな青汁がこれにあたります。ゲルソン療法の食事では、ニンジンも重要な野菜です。
フルーツ・野菜ジュースの効果
ゲルソン療法を受ける患者は、1日に最大13杯の搾りたてのフルーツと野菜ジュースを飲むことが義務づけられています。これは、免疫力を最大限に高め、がん細胞を破壊し、毒素を排出するために、ビタミンと栄養素を体にたくさん供給することを目的としています。
この治療法は、フルーツや野菜を大量に摂取することが病気の予防や治療につながる可能性があるという明確なメッセージになっています。
オレンジジュースはビタミンCをたくさん含んでおり、ガン細胞を破壊することに役立ちます。1970年、アメリカの化学者ライナス・ポーリング(Linus Pauling)博士は、ビタミンCの大量摂取がウイルス、心臓病、そして癌などの病気を治す可能性があると示唆しました。
1976年に彼が行った研究で、この仮説は裏付けられました。
当時、彼は末期がんの患者に高濃度のビタミンCを静脈注射したところ、対照組と比べて生存期間が延び、症状も緩和されたと結論付けています。
しかし、ゲルソン博士と同様、ポーリング博士の主張には賛否両論があり、他の医療関係者から批判を浴びました。
ノーベル賞を2度受賞したものの、医学界の先輩医師からは純粋な化学者としてしか見られず、彼の理論はすぐに捨て去られました。
(つづく)
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