「木人石心」(ぼくじんせきしん)【1分で読める故事成語】

晋王朝の時、夏統という男がいました。
ある日、政治家の賈充(かじゅう)は自分に仕えるよう夏統を説得するも、断られてしまいました。諦めきれずに、夏統を軍営に招いて見学させ、「もし、私に仕えれば、これらの兵士を指揮することができる。どうだ?威風があるだろう?」と更に説得しました。

しかし、夏統は再度断りました。
次に、賈充は大勢の美人を集め、夏統を囲んで踊らせますが、夏統はやはり動揺しませんでした。
何度も説得に失敗した賈充は、「このような人がいるとは!まさに体は木でできていて、心は石でできている!」とあきれました。

「木人石心」とは、誘惑に負けず、固い意思を持っているという意味です。
現在では、薄情で冷酷な人のたとえとして使われています。

(出処『晋書』「夏統伝」)

 

一斗