結婚式の6週間後に戦争で姿を消した夫、フランスで妻と60年ぶりの再会【感動】

「混沌たる人になるよりも平和の犬になるほうがよい」という古いことわざがあります。特に、戦争によって別れるのは辛いものです。結婚して6週間のある新婚夫婦は、夫が戦争に行き60年も待たねばなりませんでした。 これは、CBSニュースが報じた第二次世界大戦中の感動的な話です。

ある白髪のお婆さんは、亡き夫の話をすると、一瞬で約60年前にタイムスリップしたかのように記憶が鮮明に甦ってきます。

このお婆さんの名前はペギーさんです。その当時、彼女はまだ新妻で、ハンサムな中尉のパイロットであるビリー・ハリス(Billie Harris)さんとの甘い結婚生活の真っ最中でした。

結婚式からわずか6週間後、二人は戦争で離ればなれになってしまった。(Pangaea / PIXTA)

しかし、テキサス州バーノンに住む新婚夫婦は離れ離れになり、夫のビリーさんがヨーロッパの戦争に駆り出されたのは、第二次世界大戦の時でした。

彼は妻に手紙を出して様子をうかがい、安心させるため、戦争が終わればすぐに帰る、辛抱するようにと書き記しました。 また、誰か帰国する人がいたら、妻にメッセージを送ってほしいと頼み、ペギーさんが心配しないようにと願っていました。

ペギーさんの夫、ビリーさんは第二次世界大戦でパイロットとして活躍した。写真はイメージです。 (ISSA / PIXTA)

ところがある日、夫からの手紙を毎日待ち望んでいたペギーさんの元に突然連絡が途絶え、その後、すべてのメッセージが途絶えてしまいました。 ペギーさんはどうにかして夫の消息を調べようと思いました。後に戦闘機パイロットから、ビリーさんが1944年7月17日にナチス占領下の北フランス上空に出動したこと、その任務から帰ってきていないことを聞かされました。

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ペギーさんのもとには、さまざまな情報が寄せられていました。 ビリーさんが行方不明になったと報じるメディアもあれば、生きていて帰国したと報じるメディアもありました。 また、ビリーが殺されて墓地に埋められたという手紙も届きましたが、やがてそれはビリーの遺体では全くないことが告げられました。

夫が死んだに違いないとわかっていながら、このことがペギーさんをいらだたせました。しかし、結婚生活に絶対的な思い入れのある彼女は、夫の生死を確認することを諦めませんでした。何カ月も、何年も、何十年も、彼女は待ち続け、辿り続けました。

役所も答えを出せず、友人や親戚からも「もう待たないで、新しい人生を歩みなさい」と言われましたが、ペギーさんは諦めませんでした。地元の議員に助けを求めても、答えは返ってきません。 ビリーさんのいとこ、アルトン・ハーヴェイさんの助けを借りて、彼女は謎を解き明かそうとしました。

「戦争に行ったきり帰ってこないのはおかしい」 「彼に何が起こったのか、知る必要がある」とアルトンさんは言いました。アルトンさんの執拗な追及により、その謎はついに解けました。

ビリーさんはフランスのノルマンディーにある、世界で最も有名な墓地に眠っていたのです。ペギーさんが夫と別れて60年以上、白い大理石の墓地で、ようやくビリーさんと再会することができたのです。

到着した彼女を迎えたのは、フランスの小さな町ルヴァンの村人たちで、夫の死の謎を解くことができました。

地元の長老たちは、ビリーさんの飛行機が敵軍の攻撃を受けるのを目撃し、バランスを崩した戦闘機がルヴァンの町に墜落しようとしていたことを彼女に伝えました。村人たちを守るため、渾身の力で飛行機を山奥に追い込み、壁に激突して爆発させました。村人たちは、多くの人の命を救ってくれたパイロットに感謝しました。

その後、数人の村人が山に入り、ビリーさんの遺体を運び帰り、「戦没者墓地」に埋葬しました。 毎年、町では彼を偲んで慰霊祭が行われています。

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メディアのインタビューに応じたペギーさんは、「これは私が望んだ最高の結果です」「私たちが夫婦として一緒にいたのはわずか6週間。60年以上も離れていたのだから、また会える時間は貴重です 」と語っています。 

 

 

嫣華