中国の人気観光地・海南島。2023年1月24日撮影(VCG/VCG via Getty Images)

「親戚が来た」一方的にホテル側が予約キャンセル、価格釣り上げ狙いか 中国大型連休

中国ではまもなく労働節メーデー)の大型連休を迎え、ホテル等宿泊の需要が急激に高まっている。なかには顧客の予約を一方的にキャンセルし、高値で再販する宿泊施設があるようだ。在留邦人や中国を旅行する日本人も中国側の「突然のキャンセル」には気をつけたい。

中国の旅行予約サイト等によれば、4月29日から5月3日までの期間中、旅行予約件数は新型コロナウイルス流行前の水準まで回復した。旅行企業によれば連休中はホテル価格は通常価格の2~6倍まで跳ね上がり、国内線航空券は一部人気路線では完売となった。

「改装」「親戚が来た」…一方的に解約するホテル多数

突然のキャンセルには、コロナ禍の期間中の損失を埋めるため、できるだけ高値で予約を取り付けようとする宿泊施設側の狙いがあるようだ。第一財経済をはじめとする複数の中国メディアがこの問題を報じている。

福建省厦門市にあるホテルの客室を2月末に予約した陳さんは、4月になってホテル側から「改装」を理由に部屋をキャンセルされた。しかし、プラットフォーム上では「予約可能な状態」になっており、しかも価格が陳さんが予約した2月当時の価格、1泊109元(約2000円)ではなく、597元(約1.1万円)に設定されていた。

西安の大学生も、同意していないにも関わらずホテル側の都合で予約がキャンセルとなり、返金されたという。後日確認すると当初予約時から宿泊代金は倍以上の価格で再販されていた。

こうした行為はしばしば発生している模様。宿泊施設側のキャンセル理由は多岐にわたり、「改装」「物件売却」「取り壊し」のほか、「親戚が来たから営業しない」といった私的な理由もあったという。複数の民宿業者は「過去3年間は疫病流行でほとんど収入はなし。今回の大型連休で一儲けしたい」と語っている。

ゼロコロナ政策解除以降に迎える初の大型連休だ。中国人の旅行需要が顕在化すると予想されている。日本へは団体旅行がいまだ規制されており、復調の最中となっている。観光庁による2023年第1四半期の訪日外国人の旅行消費額は、韓国が1999億円とトップで、2位は台湾の1535億円、3位は中国の1069億円だった。

関連記事
近頃、複数の報道機関によると、中国に存在する偽の学術機関が「院士」の選出を装い、詐欺行為を行っており、40万元の人民幣を支払えば「外国籍院士」の認定証を購入することができるとされている。
広西自治区の南寧市で、激しい降雨により多くの市街地が水没し、車両が流されるという被害が出た。しかし、住民たちはこの水害が単なる自然災害ではなく、市内の排水設備の不備と、それに関連する工事の不正行為が原因だと声を上げている。
亡命している元内モンゴル自治区の官員、杜文さんが、中共が隠蔽している感染病の厳しい現状を暴露した。フフホト市にある第3刑務所では結核が大流行し、多くの受刑者が亡くなっている。しかし中共はその事実を隠し続けている。
中国共産党の内部告発者によれば、党首である習近平はフェンタニル生産に関して明確な指示を出し、公安部の王小洪部長に関連部門を統括して、生産支援を強化しつつ、アメリカへの輸出ルートを拡大するよう命じたという。
中国経済の後退に伴い、地方政府は借金問題に直面し、給与の未払いや削減が中国で広がっている状況だ。各地の公務員は報道機関に対し、給与が減額されたり、支払いが滞ったりしている実態や、退職者の年金が遅配されたり、減額されている事実を訴えている。ネット上では、「公務員の安定した仕事(鉄の飯碗)は名ばかりで、実際には中身が伴っていない」と皮肉交じりにコメントされている。