犬は人間の親しい友とされていますが、犬に噛まれる事件はたびたび報道されています。研究によると、これら攻撃的な悪い犬の飼い主も性格が悪い可能性が高いとされています。
カナダのブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)の教授、スタンリー・コーレン(Stanley Coren)氏は、ウェブサイト「今日の心理学(Psychology Today)」の記事で、最近の研究では、攻撃的な犬の飼い主が反社会的な傾向の高い可能性があると述べています。
オランダのユトレヒト大学(Utrecht University)の研究者たちは、374頭の非常に攻撃的な悪い犬を対象に研究を行いました。これらの犬は人間や動物を噛む事件に関与し、政府によって捕獲されています。
研究は2つのグループに分けました。第1グループは159頭で、2008年から2010年の間に捕獲された犬です。第2グループは215頭で、2020年から2022年の間に捕獲された犬です。
これまでの研究の多くは、犬の品種に焦点を当てていました。政府に捕獲された犬のほとんどが、ブルドッグの品種(58%)であったことが確認されました。しかし、今回の研究の主な目的は、これらの悪い犬の飼い主の特徴を調べることでした。
悪犬の飼い主の行動はどのようなものか?
悪い犬の飼い主の約61%が男性でした。そして、犬の被害者のうち51%は成人、13%は子供、30%は他の犬、6%は子猫などの他の動物でした。
これらの凶暴な犬の多くが初犯ではありません。そのうちの64%は過去に複数回、人や動物に噛みつく事件を起こしていることが当局の記録に残されています。22%以上が過去に4回以上のこうした事件を起こしています。
自分の犬が他人を襲った場合、大半の飼い主、約63%は被害者に対して犬を止めることもせず、直ちに助ける行動もせず、さらに20%の飼い主は、自分自身も攻撃的で被害者を威嚇したり脅したりしていました。
また、悪い犬の飼い主は被害者に対して同情を示すこともほとんどありません。13%の飼い主は犬による傷の重大さを否定し、9%の飼い主は被害者を非難しました。積極的に協力する行動をとった飼い主はわずか14%しかいませんでした。
研究者たちは、悪い犬の飼い主の行動を分析しました。主に二通りあり、一つは飼い主の反社会的行動、もう一つは飼い主の自分の犬の扱い方によるものです。
関連の記録によると、これらの悪い犬の飼い主には過去に反社会的行為がありました。例えば、薬物乱用、公共の場で他人に大声で罵ったり脅したりする、犯罪を犯す、嫌がらせや騒音をたてる、家庭内暴力、児童虐待や育児放棄、犬を脅しの武器として使うなどが含まれています。29%の飼い主はこのような反社会的行為を2つ以上経験していました。
犬に対する扱いに関しては、犬を虐待したり、ほったらかしたり、徘徊させる、世話をしないことなどがあります。22%の飼い主は、このような動物虐待の2つ以上の記録がありました。
悪い犬の飼い主の行為は悪化しているのでしょうか?
これら2つのグループの研究は、間隔を約10年あけました。研究者たちは、悪い犬の飼い主の行為が時間の経過とともに体系的に変化したかどうかを知りたいと考え、分析を行いました。
彼らはいくつかの点で顕著な変化があったことを発見しました。薬物乱用や他人に大声で叫んだり脅したりするケースが増加して、悪い方向に変化していました。個々の犬が何度も人や動物を噛むことも増加しているようです。
コーレン氏は記事の最後に、研究者たちは「悪い犬は飼い主が悪い可能性が高い」という結論に達したようだと述べています。彼らは研究報告の結びで、悪い犬の飼い主の中には、社会の安全を守る意志がない、または守る能力がない人もいると指摘しています。
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