1日30gあるものを食べるだけ! 頑固な脂肪を落とす簡単で効果的な方法

体重を減らすのは簡単なことではないし、お腹の脂肪を減らすのは更に簡単ではありません。では、頑固な脂肪を落とす簡単で効果的な方法はあるのでしょうか? 答えは「はい」です。食事に一定量の水溶性食物繊維を加えることで、お腹の脂肪を落とすことができるのです。

2種類の植物繊維

植物繊維には2種類あり、ひとつは水溶性、もうひとつは不溶性です。 不溶性とは、水で分解されないという意味です。不溶性食物繊維は体外に直接排泄されます。そのため、このタイプの食物繊維を食べ過ぎると下痢を起こしやすくなります。

水溶性食物繊維は消化管で非常に重要な役割を果たしています。私たちの健康や体重に大きく関係しているのです。

●水溶性食物繊維の役割

水溶性食物繊維の第一の効果は、減量に役立つことです。水溶性食物繊維は消化管内で多くの水分を吸収して膨張します。その結果、満腹感が得られ、食欲が満たされやすくなり、ダイエットに適しています。ただし、水溶性食物繊維を食べ過ぎると便秘になることがあります。腸内の水分をすべて吸収してしまうからです。

水溶性食物繊維の2つ目の働きは、胃腸のマイクロバイオーム(微生物叢)に栄養を与えることです。私たちの体の微生物叢は、鼻、口腔、呼吸器、生殖器、消化管に存在しています。そして最も多く存在するのは消化管です。これらの微生物には、原虫、真菌、ウイルス、細菌が含まれます。バクテリアは最も多く、少なくとも100兆個が人体に存在します。

水溶性食物繊維は体内の微生物叢に栄養を与えます。微生物叢は私たち健康にとって重要です。私たちの胃腸粘膜を守り、その機能を果たすのを助けてくれます。また、食べ物の代謝を助け、食べ物に含まれる栄養素を十分に吸収・利用できるようにします。最も重要なことは、微生物叢が胃腸の炎症を抑えることです。

研究により、消化管内の微生物叢のレベルが、私たちの消化機能、免疫機能、神経機能と切っても切れない関係にあることがわかっています。 多くの自己免疫疾患や神経精神疾患は、消化管における微生物叢の異常に関連しています。

中国伝統医学では、胃腸の健康状態が全身の健康状態をある程度左右すると考えられてきました。漢方医学が胃腸の健康を重視し、その維持に独自のアプローチを行っているのはこのためです。

水溶性食物繊維のもう一つの利点は、血糖値のバランスを促進することです。 それ自体は炭水化物ですが、カロリーがないだけでなく、インスリンに対する体の感受性や血糖値のバランスを調整します。

●水溶性食物繊維を含む食品

しかし、すべての水溶性食物繊維にこの効果があるのではありません。このような効果があるのは、太くて粘り気のある繊維だけです。この種の、水溶性食物繊維は消化管内に長くとどまり、満腹感を与えると同時に、さまざまな生化学的な作用を及ぼします。

では、このネバネバした水溶性食物繊維を含む食品は何でしょうか? 各種豆類、亜麻仁、アスパラガス、ケール、オート麦などです。また、食物繊維のサプリメントは、その食品を直接食べるほど効果的ではありません。多くの研究で食物繊維のサプリメントは、食品に含まれる粘性のある水溶性食物繊維ほどの効果がないことがわかっています。食物繊維は1人1日30g摂れば十分です。

まとめると、水溶性で粘性のある食物繊維を1日30g摂取することが減量に効果的です。この食物繊維を含む食品は、豆類、緑黄色野菜、オート麦などです。健康的なライフスタイルを維持することも大切です。ダイエットのために水溶性食物繊維を摂りすぎて便秘になったり、不溶性食物繊維を摂りすぎて下痢になったりしないようにしましょう。 

慢性的な精神、行動、身体の病気を対象とした統合医療医。中国医学の医師。精神科認定医。統合医療の楊研究所とアメリカ臨床鍼灸研究所の創設者兼ニューヨーク北部医療センターのCEO。『Integrative Psychiatry(統合精神医学)』、『Medicine Matters(医学の重要性)』、『Integrative Therapies for Cancer(癌の統合療法)』に貢献。また、ハーパーコリンズの『Facing East: Ancient Secrets for Beauty+Health for Modern Age(現代の美と健康のための古代養生法)』とオックスフォード大学出版局の『Clinical Acupuncture and Ancient Chinese Medicine(臨床鍼灸と古代中国医学)』の共著者。