アボカドは肝臓に良い、ただし4つのタイプの人は注意が必要

2023/12/29
何蔚, 楊景端（アメリカ楊氏統合医学センター医学主任）

アボカドは、多くの人に好まれる食べ物です。アボカドには、髪や肌に必須の栄養素のほか、健康的な脂肪、食物繊維、タンパク質が豊富に含まれています。ますます多くの健康志向の人々が、アボカドを消費し始めています。ただし、一部の人にとって、アボカドは何らかの副作用を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

アボカドの栄養

アボカドの栄養には、食物繊維、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK1、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、リボフラビン、コリン、ルテイン、ゼアキサンチン、および植物ステロールなどが含まれています。さらに、71％が単不飽和脂肪酸、13％が多価不飽和脂肪酸、16％が飽和脂肪酸で構成されています。これらの脂肪酸は、血脂の健康を維持し、脂溶性の栄養素の吸収を促進するのに役立っているのです。

臨床研究によれば、アボカドは心血管の健康、体重管理、抗加齢において重要な役割を果たしています。したがって、一般の人にとってアボカドは食事の中で、重要な成分となるべきです。

アボカドの肝臓への効果

肝機能が正常な人にとって、アボカドを適量に摂取することは、肝臓に対していくつかの利点があります。

1. オレイン酸の作用: アボカドに含まれるオレイン酸は、体内の悪玉コレステロールを低下させ、善玉コレステロールを増加させる助けとなります。これは直接的には肝臓に作用しないものの、コレステロールへの影響を通じて肝臓に間接的な利益をもたらします。

2. 抗酸化物質グルタチオンの生成: アボカドの成分が体内で強力な抗酸化物質であるグルタチオンの生成を助けます。グルタチオンは肝臓の解毒に重要な役割を果たし、それにより肝臓の保護に寄与します。

3. 微量元素、ビタミン、抗酸化物質の含有: アボカドにはさまざまな微量元素、ビタミン、抗酸化物質が含まれています。これらの成分は、体内の慢性炎症を軽減する助けとなり、肝臓の炎症にも適応され、そのため、肝臓に対して有益なのです。

4. 脂肪肝の緩和: アボカドは食物繊維が豊富であり、消化や体重管理に寄与し、インスリン感受性を向上させる助けとなります。これは肥満の制御に寄与し、心臓の健康と血圧の調整にも役立ちます。その結果、アボカドは肝臓を保護し、非アルコール性脂肪肝や代謝性疾患のリスクを低減することが示唆されています。

アボカドの消費量

では、私たちは毎日どれくらいの量のアボカドを食べるべきなのでしょうか？　通常、普通の大きさのアボカド半分で十分ですが、この半分のアボカドの重さは約68グラム (2.4オンス) で、114カロリー、脂肪10.5グラム、食物繊維4.6グラムが含まれています。人の1日のカロリー摂取基準が2000カロリーである場合、アボカド半分で1日の必要カロリーの5.7％を占めることになりますね。

一般に、バランスのとれた栄養価の高い食事をしていれば、毎日アボカドを食べる必要はありません。しかし、食事で栄養が不足している場合でも、アボカドには健康的な一価不飽和脂肪酸、豊富な食物繊維、マルチビタミン、抗酸化物質が含まれており、より多くの栄養素を補給できます。あなたがアスリートの場合は、より多くの栄養素が必要になる可能性があるため、アボカドの摂取量を適切に増やすとよいでしょう。

4種類の人はアボカドに気を付けましょう

アボカドは栄養価が豊富ですが、いくつかの特定の人々にとっては慎重に摂取する必要があります。

1. ＊ラテックスアレルギーの人：ラテックスアレルギーの人はアボカドを摂取するべきではありません。ラテックスアレルギーは、発疹、血管浮腫、じんましん、気管支喘息、結膜炎、口内のかゆみや舌の腫れなどの症状として現れ、これらの人々はアボカドに対してアレルギー反応を示す可能性があります。

＊ラテックスアレルギー：医療用手袋などに使われている天然ゴムの成分によって即時型アレルギー反応を起こす病態である。メロンや桃、栗、バナナなどの果物に含まれる成分と交叉反応を起こすことがあり、フルーツアレルギーを合併するため、ラテックス・フルーツ症候群と呼ばれることがある。

2. ダイエット中の人：ダイエット中の人はアボカドの摂取量を制御する必要があります。アボカドは高カロリーであり、摂り過ぎると体内のカロリー摂取が増える可能性があり、ダイエットには不利です。

3. 高コレステロールの人：一定のコレステロールレベルを維持する必要がある人々は注意が必要です。アボカドにはβ-シトステロールが含まれており、これが体内の必須コレステロールの吸収に影響を与える可能性があります。

4. 肝臓病患者：肝臓病を患っている人はアボカドの摂取に慎重であるべきです。マウスを用いた研究によれば、アボカドの過剰摂取がマウスの脂肪肝を引き起こす可能性があります。この研究は特定の食事比率に焦点を当て、エネルギーの40%が脂質、40%が炭水化物、20%がタンパク質から供給される食事が、マウスの脂肪蓄積を引き起こしやすくなることを示しています。アボカドの脂質の大部分は一価不飽和脂肪酸で構成されています。

一般的に、ほとんどの人がこれほど多くのアボカドと炭水化物を同時に摂取することはないため、ほどほどのアボカド摂取は脂肪肝を引き起こすことはありません。総じて、アボカドは、ほとんどのケースで健康に良いものですが、最も重要なのはバランスの取れた食事と適度な摂取ですね。