今週、中国北部は今年最悪の大気汚染に見舞われている。複数の都市では、当局は重汚染天気警報を引き上げた。(Photo by PEDRO PARDO/AFP via Getty Images)

中国の大気汚染深刻化 異常気象続く

中国では、多くの地域で大気汚染による濃霧とスモッグによる公害が広がっている。12月27日の時点で、安徽省の6つの都市が重度の大気汚染に見舞われた。西安市と銀川市は重汚染天気緊急対応を開始し、重工業の生産を制限している。 数日前、独立研究機関「エネルギー・クリーン・エア研究センター」は報告書を発表し、2023年までに中国の大気汚染が悪化すると述べた。

大気中のスモッグは、交通や人の健康に影響を及ぼす。 中国共産党(中共)中央気象台は12月26日にリリースを発表した。12月28日から30日にかけて、河北省、山東省、江蘇省、安徽省、重慶市の一部の地域では、視界が200メートル以下の強い霧が発生し、年末のピーク時の交通に影響が出るかもしれないと予測した。

気象台によると、華北地区や黄河から淮河の間の地域は、28日から30日にかけて、今年秋に入って以来最も強力な濃霧が発生するという。

各地で重汚染気象警報がアップグレード

西安市では、当局は重汚染天気警報を、オレンジ色から赤色警報に引き上げた。12月27日から1級重汚染天気に対して緊急対応をとると発表した。

CCTV(中共中央電視台)によると、西安当局は屋外での活動を避けるよう呼びかけており、幼稚園、小学校、中学校などの学校は臨機応変に、授業を停止して休校する措置などをとっている。また、当局は公共交通機関を利用し、道路を走る自動車の数を減らすよう呼びかけた。一方、緊急排出削減対策が義務付けられているのだ。特別な場合を除き、鉱山、砂礫採石場、石材工場などでの屋外作業を中止するよう、関連部門は監督しなければならない。また、生産過程で大気汚染物質を排出する企業、施設、建設現場は、生産スケジュールを調整し、積極的に排出量を削減するよう求められた。

中国紙「寧夏日報」の報道によると、寧夏省の3か所(銀川市、石嘴山市、呉忠市)が重汚染天気緊急対応を開始した。 そのうち、銀川市と石嘴山市はそれぞれ重汚染天気2級オレンジ警報の緊急対応を発動した。

2級オレンジ警報が発動されると、当局は以下の措置をとる。

1. 火力発電、石油化学、冶金、セメントなどの主要産業の汚染企業に対し、生産停止や生産負荷の削減を実施

2. 高排出量の車両の使用制限範囲を拡大する

3. 災害時の緊急復旧工事を除き、建設中の工事現場での土木作業や解体作業などを停止させる

銀川市と石嘴山市は、社会的弱者グループに屋外活動を避けるよう呼びかけた。

2024年 中国で異常気象が増える

「エネルギー・クリーン・エア研究センター(CREA)」は12月22日に報告書を発表し、中国の大気汚染は2023年に悪化し、首都北京を含む省都の80%で今年PM2.5濃度が上昇した。

同報告書によれば、2023年には中国の31の省都のうち13都市がPM2.5の国家基準に達しておらず、11都市でオゾンが基準に達していない。健康への潜在的影響が増えているのだ。

この夏、中国は1850年に気温の記録が始まって以来、最も暑い夏を経験した。 北京は記録的な高温に見舞われ、新疆ウイグル自治区のトルファン盆地にある三宝鎮の観測所では摂氏52.2度(華氏126度)を観測し、中国の最高気温の記録を更新した。

夏から秋にかけて、中国各地は台風に襲われた。記録的な大雨は深刻な洪水を引き起こした。中共当局が、雄安新区を洪水から守るために、水の流れを河北省涿州市に導き、氾濫原と化し、甚大な被害が発生したという。

また、最近、北京を含む中国北部では極寒の寒波が猛威を振るっている。中共気象局は、12月中旬以降の気象パターンが「異常に複雑」と言い、寒波は年明けまで続くとしている。     

 

 

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